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個人で中古車を輸出する方法と全体像|海外顧客探しから輸出手続き・決済・納車までの12ステップ完全ガイド

個人で中古車を輸出する方法と全体像|海外顧客探しから輸出手続き・決済・納車までの12ステップ完全ガイド
2026年8月8日 | 2026年8月7日

個人でも、日本から中古車を海外へ輸出することは可能です。しかし、実際には「車を買って港へ運べば終わり」ではありません。

輸出先の規制確認から海外バイヤー探し、見積り、売買契約、車両仕入れ、輸出抹消、通関、船積み、B/L、代金回収、現地通関、納車まで、複数の工程を正しい順番で進める必要があります。

本記事では、中古車輸出の最初から最後までを12ステップに整理します。各工程の詳細については、顧客探し・契約、輸出手続き・船積み、決済・納車の3記事へ内部リンクしていますので、実際にその工程へ進む際に詳しい手順を確認してください。

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個人で中古車を輸出する全体の流れ

STEP手続き主な作業
1輸出先を確認中古車輸入可否・車齢・ハンドル・規制を確認
2海外バイヤーを探す現地販売店・輸入業者・マッチングサービスなどで顧客開拓
3車両条件を決める車種・年式・走行距離・予算・到着港を確認
4見積り・契約価格・インコタームズ・支払条件を決定
5前金を確認銀行口座への着金後に車両を仕入れる
6中古車を仕入れる所有者・車台番号・車両状態を確認
7輸出準備輸出抹消・船積前検査・清掃を行う
8船便を予約RoRo船またはコンテナ船を予約
9輸出通関インボイスなどを作成して税関へ輸出申告
10船積み輸出許可後に船積みしB/Lを確認
11残金回収着金確認後にB/Lなどの書類を渡す
12現地通関・納車輸入通関・車両引取り・納車確認

重要なのは、車を仕入れる前に「その車を輸入できる国と買主が存在するか」を確認することです。中古車輸出では、仕入れより前の確認作業が取引リスクを大きく左右します。

STEP1|中古車を輸出できる国か確認する

最初に確認するのは車両ではなく、輸出先の国です。中古車の輸入条件は国によって異なり、車齢、右ハンドル、排ガス、安全基準、船積前検査、輸入者資格などの規制があります。

  • 中古車を商業目的で輸入できるか
  • 製造年・初度登録による車齢制限
  • 日本の右ハンドル車を登録できるか
  • 排ガス・安全基準を満たしているか
  • 指定機関による船積前検査が必要か
  • 個人輸入が可能か、輸入ライセンスが必要か

また、一般車両でも土壌や植物残さ、害虫などが付着している場合、輸入国の植物検疫規則により返送などを求められることがあります。仕向国の最新規制は、現地税関や運輸当局、通関業者などでも確認しましょう。

STEP2|海外の顧客・バイヤーを探す

輸出先を決めたら、現地の中古車輸入業者、中古車販売店、法人需要者、個人購入者などから買主候補を探します。

主な方法には、現地企業への直接営業、自社サイト、SNS、展示会、紹介、国際ビジネスマッチングサービスなどがあります。

英語での商談に慣れていなくても、翻訳ツールを補助的に利用すれば、メールやチャットによる基本的なやり取りは可能です。ただし、価格、通貨、車台番号、港名、支払期限などの重要事項は、必ず書面で再確認します。

海外取引先の探し方については「【2026年版】海外の取引先の見つけ方|輸出の買い手・輸入の仕入先を探す方法」も参考になります。

STEP3|買主と車両条件を決める

買主候補が見つかったら、希望する車両条件を具体的に整理します。

  • メーカー・車種・グレード
  • 年式・許容する車齢
  • 走行距離
  • 排気量・燃料種別
  • 駆動方式・トランスミッション
  • ボディカラー
  • 修復歴の許容範囲
  • 車両予算
  • 到着希望港
  • 希望納期

ここで重要なのは、条件が固まる前に車両を仕入れないことです。買主の希望車両が、その国の輸入条件を満たしていることを確認してから次へ進みます。

海外バイヤー探しから車両条件の確認、信用調査、契約までの詳しい流れは「個人で中古車を輸出する始め方|海外バイヤーの探し方と契約手順」で詳しく解説しています。

STEP4|見積り・インコタームズ・契約条件を決める

車両条件が決まったら、車両代だけでなく国内陸送、検査、通関、港湾費用、海上運賃などを含めた見積りを作成します。

国際取引では、売主と買主の費用負担や危険負担を明確にするためにインコタームズを使用します。

条件海上運賃海上保険主な特徴
FOB買主買主輸出港で本船に積み込むまで売主が担当
CFR売主買主売主が目的港までの海上運賃を手配
CIF売主売主売主が海上運賃と所定の保険を手配

インコタームズは、所有権の移転や支払時期まで決めるルールではありません。車両状態、キャンセル、支払期限、クレーム条件などは売買契約書で別途定めます。

詳しくは「インコタームズとは|FOB・CIF・DAPの違いを初心者向けに解説」と「貿易の契約条件とは|価格・納期・インコタームズ・支払条件の決め方」をご覧ください。

STEP5|契約して前金の着金を確認する

契約条件に合意したら売買契約を締結し、前金を請求します。

中古車輸出では、買主がキャンセルした場合に車両在庫を抱えるリスクがあるため、初回取引では前金を受け取り、銀行口座への着金を確認してから仕入れへ進む方法が基本です。

買主から送金控えが送られてきても、実際に銀行口座へ入金されるまでは着金完了ではありません。

貿易決済の基本は「貿易決済の方法|銀行送金・前払い・後払い・L/Cの違いとリスク管理」で詳しく解説しています。

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STEP6|中古車を仕入れて状態を確認する

前金の着金を確認したら、契約条件に合う中古車を仕入れます。

仕入れ後は、車検証上の所有者、車台番号、走行距離、修復歴、エンジン、警告灯、外装、下回りなどを確認します。

車体に打刻された車台番号、シリアル・コーションプレート、メーターパネル、エンジンルーム、下回り、既存の傷などは写真と動画で保存します。これは買主への報告だけでなく、到着後のクレーム時に船積み前の状態を確認する資料にもなります。

STEP7|輸出抹消・船積前検査・清掃を行う

日本で登録されている普通自動車を輸出する場合は、運輸支局または自動車検査登録事務所で輸出に関する登録手続きを行います。

登録状態手続き
現在登録中の普通自動車輸出抹消仮登録
一時抹消登録済みの普通自動車輸出予定届出
軽自動車軽自動車検査協会で輸出予定届出証明書交付申請

輸入国が船積前検査を要求している場合は、指定検査機関で検査を受けます。また、泥や植物残さが付着していると現地検疫で問題になることがあるため、タイヤハウスや車体下部まで清掃します。

STEP8|RoRo船またはコンテナ船を予約する

中古車の海上輸送では、主にRoRo船またはコンテナ船を利用します。

項目RoRo船コンテナ船
積載方法車両を自走させるコンテナ内へ固定
車両状態原則として自走可能条件により不動車も検討可能
VGM通常は対象外実入りコンテナでは必要
主な注意燃料・バッテリー・車高固定・重量・CYカット

船会社へ直接手配する方法のほか、フォワーダーへ依頼する方法があります。初回は、中古車輸出の取扱実績があるフォワーダーへ相談すると進めやすくなります。

詳しくは「フォワーダーとは|初めての貿易で物流会社に依頼できることと選び方」をご覧ください。

STEP9|輸出書類を作成して税関へ輸出申告する

船便の予約と並行して、税関申告や船会社への手配に必要な書類を準備します。

  • Commercial Invoice
  • Packing List
  • 輸出抹消仮登録証明書または輸出予定届出証明書
  • Shipping Instruction
  • 売買契約書
  • 船積前検査証明書
  • 通関委任状

特に重要なのは、車台番号をすべての書類で一致させることです。車検証、インボイス、S/I、輸出抹消関係書類で1文字でも違えば、通関や現地引取りに影響する可能性があります。

必要書類については「貿易で必要な書類一覧|インボイス・パッキングリスト・B/L・AWBの役割」、輸出申告は「初めての輸出手続き|必要書類・通関・出荷までの流れを初心者向けに解説」も参考になります。

STEP10|輸出許可後に船積みしてB/Lを確認する

税関から輸出許可を受け、船会社の搬入条件を満たすと車両が本船へ積載されます。

船積み後は、B/Lドラフトまたは正式なB/Lで次の情報を確認します。

  • Shipper
  • Consignee
  • Notify Party
  • 船名・航海番号
  • 出港港・到着港
  • 車名・車台番号
  • 運賃条件

B/LにはOriginal B/L、Sea Waybill、Telex Releaseなど複数の運用があります。それぞれ貨物を引き取れる条件が異なるため、残金回収方法とセットで考える必要があります。

詳しくは「B/L一覧|Original・Sea Waybill・Express・Telex Releaseの違い」をご覧ください。

STEP6からSTEP10までの車両確認、輸出抹消、船積前検査、船便予約、通関、B/L確認については「個人で中古車を輸出する手続き|必要書類・輸出抹消・通関・船積みを解説」で詳しく解説しています。

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STEP11|残金を回収して船積書類を渡す

船積みが完了したら、売買契約で定めた条件に従って残金を請求します。

基本的な流れは、「船積み完了 → 残金請求 → 銀行口座への着金確認 → B/Lなどの書類引渡し」です。

特にTelex ReleaseやSea Waybillを利用する場合は注意が必要です。買主がOriginal B/L原本を提示せず貨物を引き取れるため、残金が残っている取引では着金確認との順番が重要になります。

海外送金の着金が遅れている場合は、送金控えだけでなくMT103、pacs.008、UETRなどの送金情報を確認し、必要に応じて銀行へ調査を依頼します。

着金遅延については「SWIFT国際送金の着金が遅い理由とは?よくある原因と実務対応を解説【事例付き】」も参考になります。

STEP12|現地輸入通関・車両引取り・納車を行う

車両が目的港へ到着すると、買主または現地通関業者が輸入通関を行います。

  1. Arrival Noticeを受け取る
  2. 現地税関へ輸入申告する
  3. 関税・税金・港湾費用を支払う
  4. 必要な車両検査を受ける
  5. D/Oを取得する
  6. 港から車両を引き取る
  7. 現地登録・ナンバー取得を行う
  8. 購入者へ納車する

車両引取り後は、到着時の写真と車両状態を買主から送ってもらいます。輸送中の傷や破損がある場合は、船積み前の写真と比較し、必要に応じて船会社や保険会社へ連絡します。

中古車の場合は、売買契約書に現状有姿(As is condition)であることを記載する方法がありますが、既知の不具合や修復歴を隠してよいという意味ではありません。車両状態を事前に開示し、買主が確認した記録を残すことが重要です。

船積み後のB/L、残金回収、現地通関、納車、クレーム対応については「中古車輸出の決済と納車手順|B/L・代金回収・現地通関を解説」で詳しく解説しています。

中古車輸出で失敗しやすい5つのポイント

売り先が決まる前に中古車を仕入れてしまい困っているイメージ

1.顧客を決める前に車を仕入れる

中古車輸出では、輸入国によって車齢やハンドル規制が異なります。先に車を買うと輸出先が見つからず、国内在庫として抱える可能性があります。

2.輸入規制を買主だけに確認する

買主が「輸入できる」と説明していても、その情報が古い可能性があります。現地税関、運輸当局、通関業者など複数の情報源で確認します。

3.車台番号と書類を照合しない

車台番号は中古車輸出の基準になる情報です。車検証、車体、インボイス、B/L、輸出抹消書類を必ず照合します。

4.残金着金前に貨物引渡しを可能にする

Telex ReleaseやSea Waybillを利用すると、Original B/L原本を使った貨物管理ができなくなります。初回取引では残金の銀行着金確認を優先します。

5.目的港で発生する費用を決めていない

CFRやCIFだからといって、目的港で発生するすべての費用を売主が負担するわけではありません。現地港湾費用、関税、検査、通関費用を誰が負担するか契約時に明確にします。

個人で中古車を輸出する前のチェックリスト

中古車輸出前のチェックリストや車の鍵を上から見た確認イメージ
  • 輸入国の中古車規制を確認した
  • 買主と輸入者の身元を確認した
  • 希望車両と輸入条件が一致している
  • 古物商許可が必要な取引か確認した
  • 車両代以外の費用も見積りに含めた
  • インコタームズを決めた
  • 支払条件を契約書へ記載した
  • 前金を銀行口座への着金で確認した
  • 車台番号と車両状態を記録した
  • 輸出抹消・船積前検査を確認した
  • 船便と搬入期限を確認した
  • 必要な輸出書類を作成した
  • 税関の輸出許可を取得した
  • B/Lの記載内容を確認した
  • 残金回収後に貨物引渡し手続きを行った
  • 現地での車両引取りと納車を確認した

中古車輸出をさらに詳しく確認する3つの記事

実際に中古車輸出を始める場合は、現在進めている工程に合わせて次の記事を確認してください。

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まとめ|中古車輸出は12ステップを順番に進める

個人で中古車を海外へ輸出する場合は、車両を仕入れるところから始めるのではなく、最初に輸出先の規制と海外バイヤーを確認します。

その後、車両条件、見積り、インコタームズ、売買契約、前金を確定してから車両を仕入れます。仕入れ後は、車台番号と状態を確認し、輸出抹消、船積前検査、船便予約、輸出通関、船積みへ進みます。

さらに、船積み後も残金回収、B/Lの引渡し、現地輸入通関、D/O取得、港からの引取り、納車まで確認する必要があります。

取引終了後は、リサイクル料金が預託されている車両であれば取戻し手続きも確認しましょう。自動車リサイクル促進センターでは、中古車として輸出した車両について、輸出日から2年間、所定の手続きによりリサイクル料金を取り戻せると案内しています。

中古車輸出は工程が多いものの、「輸出先確認 → 顧客 → 契約 → 前金 → 仕入れ → 輸出手続き → 船積み → 残金 → 納車」という順番で整理すれば、何をすべきか判断しやすくなります。

参考外部リンク

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