HSコード第21部とは|美術品、収集品及びこつとうの分類体系
HSコード第21部は、美術的価値・収集価値・歴史的価値を有する物品を対象とする部です。
一般商品とは異なり、用途・機能・素材ではなく「価値の性質」が分類判断の中心になります。
この部で特に重要なのは次の観点です。
・芸術作品として創作されたか
・収集・鑑賞を主目的とするか
・一定の年代と文化的背景を有するか
同じ絵画や家具であっても、量産された商品か、文化的価値を持つ対象かで分類は大きく異なります。
第21部に含まれる類一覧(第97類)
第21部は、単一の類で構成されています。
| 類 | 概要 |
|---|---|
| 第97類 | 美術品、収集品及びこつとう |
第97類の分類思想|芸術性・収集性・年代
第97類に該当するかどうかは、一般商取引の対象物か、文化的・芸術的評価の対象かで判断されます。
芸術性
画家・彫刻家などによる独創的な創作物であり、装飾目的の量産品ではないことが重要です。
収集性
切手、貨幣、標本など、研究・展示・収集を主目的とする物品が該当します。
こつとう性
通常、製作後100年以上経過しており、歴史的・文化的価値が認められる物品が対象となります。
第97類の主な区分
美術品
・絵画、デッサン
・彫刻、像
・版画、リトグラフ
原作品であることが重要で、複製品・ポスター等は通常該当しません。
収集品
・切手、印紙
・貨幣
・動植物・鉱物標本
学術的・趣味的収集価値が判断基準です。
こつとう
・家具
・陶磁器
・装身具
単に古いだけでは足りず、文化的・歴史的価値が評価対象となります。
第97類の代表的な6桁コード例
| HSコード | 内容 |
|---|---|
| 9701.10 | 絵画、デッサン |
| 9702.00 | 版画、リトグラフ |
| 9703.00 | 彫刻 |
| 9704.00 | 切手・収集品 |
| 9705.00 | 収集品(標本等) |
| 9706.00 | こつとう(100年以上) |
芸術性/量産品 判断フロー
実務で多い誤分類Q&A(第21部)
インテリア用アートは第97類ですか
量産された装飾品は通常該当しません。原作品かどうかが判断基準です。
レプリカや複製画は該当しますか
原則として該当しません。複製品は一般商品として他部に分類されます。
100年以上経過していれば自動的にこつとうですか
いいえ。年代に加え、文化的・歴史的価値が必要です。
第20部〜第21部の境界の考え方
・生活用品・娯楽用品 → 第20部
・芸術・収集・歴史的価値 → 第21部
同じ家具・装飾品であっても、商用品か文化財かで分類が分かれます。
第21部の実務上の注意点
・真作性、来歴(プロヴェナンス)の確認
・文化財保護法・輸出規制の有無
・関税率よりも輸出入可否が問題になるケースが多い
まとめ|HSコード第21部 完成整理

HSコード第21部は、商品性ではなく文化的・芸術的価値を基準に分類される最終部です。分類の核心は、
・芸術作品か
・収集対象か
・歴史的価値を有するか
を論理的に説明できるかにあります。
参考外部リンク(HSコード第21部)
・税関|実行関税率表(第97類)
https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
・税関|品目分類の考え方(美術品・こつとう)
https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetsu/index.htm
・世界税関機構(WCO)|HS解説書(Explanatory Notes)
https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition.aspx
・文化庁|文化財の輸出入規制
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/