HSコード第15部とは|金属および金属製品(第72類〜第83類)の分類と実務判断

HSコード第15部とは|金属および金属製品(第72類〜第83類)の分類と実務判断

HSコード第15部とは|金属およびその製品の分類体系

HSコード第15部は、鉄鋼・アルミニウム・銅・ニッケル・鉛・亜鉛・すずなどの金属材料およびその製品を対象とする部です。原料段階から半製品、完成度の高い金属製品までが含まれ、素材・加工段階・合金構成が分類判断の中心になります。

第14部(貴金属)と異なり、工業用途・建材用途・部品用途が多く、実務では仕様書・成分表・加工工程の確認が不可欠です。

第15部に含まれる類一覧(第72類〜第83類)

第15部は、以下の12類で構成されています。

概要
第72類鉄鋼
第73類鉄鋼製品
第74類銅およびその製品
第75類ニッケルおよびその製品
第76類アルミニウムおよびその製品
第78類鉛およびその製品
第79類亜鉛およびその製品
第80類すずおよびその製品
第81類その他の卑金属
第82類工具、刃物類
第83類その他の卑金属製品
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類別の基本的な考え方

第72類|鉄鋼(素材段階)

第72類は、鋼塊・ビレット・スラブ・鋼板・鋼棒など、主に素材・一次加工段階の鉄鋼製品が対象です。分類判断では、

・合金鋼か、非合金鋼か
・形状(板、棒、線材など)
・熱間圧延か、冷間圧延か

といった物理的性質と製造工程が重要になります。

第73類|鉄鋼製品(加工品)

第73類は、ボルト、ナット、パイプ、構造物部材など、鉄鋼を用いた完成度の高い製品が対象です。

素材が鉄鋼であっても、用途を持つ製品形状であれば第73類に分類されます。

第74類〜第80類|非鉄金属

銅、アルミニウムなどの非鉄金属は、素材(地金・半製品)と製品で明確に分かれます。

特にアルミニウム(第76類)は、

・建材
・輸送機器部品
・包装材

など用途が広く、誤分類が多い類です。

第81類|その他の卑金属

チタン、マグネシウム、タングステンなど、特定用途向けの金属が含まれます。

第82類|工具・刃物類

金属製であることに加え、工具としての用途が明確なものが対象です。

第83類|その他の卑金属製品

家具金具、装飾金物、雑貨的金属製品など、他類に該当しない金属製完成品が含まれます。

代表的な6桁コード例

第72類|鉄鋼

HSコード内容
7207.11非合金鋼の半製品
7208.38熱間圧延鋼板
7214.20鉄鋼製棒

第73類|鉄鋼製品

HSコード内容
7304.19継目無鋼管
7318.15ボルト・ナット
7308.90鉄鋼構造物

第76類|アルミニウム

HSコード内容
7601.20アルミニウム地金
7604.21アルミニウム棒
7610.90アルミニウム製構造物

第82類|工具類

HSコード内容
8205.59ハンドツール
8207.90交換式工具
8211.10ナイフ

第83類|その他金属製品

HSコード内容
8301.40金属製錠
8302.10家具用金物
8306.29装飾用金属製品

実務で多い誤分類Q&A(第15部)

Q1. 鉄製でも第72類と第73類の違いは何ですか

素材段階か、用途を持つ製品かが分かれ目になります。
穴あけ・組立などが施され、用途が明確であれば第73類です。

Q2. アルミ製でも建材と部品で分類は変わりますか

変わります。素材形状か、構造物として完成しているかで判断されます。

Q3. 表面処理があると分類は変わりますか

原則として変わりません。メッキ、塗装は多くの場合、類の変更要因にはなりません。

Q4. 工具は素材より用途ですか

その通りです。金属製であっても、工具用途が明確であれば第82類に分類されます。

Q5. 第83類は何でも入れてよい類ですか

違います。他の類に該当しない場合にのみ適用される限定的な類です。

第14部〜第15部 境界判断フロー

主素材は何か 貴金属か YES → 第14部 NO → 第15部
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第15部の実務上の注意点

・素材(鉄鋼/非鉄)を最初に確定する
・合金か非合金かを成分表で確認する
・素材段階か製品段階かを明確にする
・工具類は用途優先で判断する

まとめ|HSコード第15部 完成整理

HSコード第15部は、金属という素材を起点に、加工段階と用途で分類される部です。第14部までの「価値・素材中心」の考え方から、工業的・機能的な分類視点へと完全に切り替わる点が大きな特徴といえます。

参考外部リンク(HSコード第15部)

税関|実行関税率表(第72類〜第83類)
https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
鉄鋼、非鉄金属、金属製品の関税率および統計品目番号を確認できる日本公式資料です。素材段階か製品段階かを判断したうえでの確認が必須となります。

税関|品目分類の考え方(金属・金属製品)
https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetsu/index.htm
第72類と第73類の違い、非鉄金属の分類軸、工具類(第82類)の判断など、第15部全体の分類ロジックを確認できます。誤分類防止の基礎資料です。

世界税関機構(WCO)|HS解説書(Explanatory Notes)
https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition.aspx
金属材料、半製品、完成品の国際的な分類基準を確認できる一次資料です。合金区分や除外規定の確認に不可欠です。

経済産業省|鉄鋼・非鉄金属分野の貿易管理制度
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/index.html
鉄鋼・アルミニウム・特殊金属は、輸出管理や規制対象となる場合があります。HSコードと制度確認をセットで行う際に有用です。

JETRO|金属・工業製品の国別貿易制度情報
https://www.jetro.go.jp/world/
国・地域別に、金属材料・金属製品の関税、輸入規制、注意点を確認できます。工業用途製品を扱う際の事前調査に役立ちます。

日本鉄鋼連盟|鉄鋼製品の基礎知識・統計情報
https://www.jisf.or.jp/
鉄鋼製品の種類、製造工程、用語解説などが整理されています。第72類・第73類の理解を補完する業界資料として有用です。

日本アルミニウム協会|アルミニウム製品・用途解説
https://www.aluminum.or.jp/
アルミニウムの素材形状、用途、加工方法に関する基礎情報が掲載されています。第76類の分類理解を深める補助資料として活用できます。

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2026年1月6日 | 2026年1月12日