HSコード第4部とは|調製食料品・飲料・たばこの分類と実務ポイント解説

HSコード第4部とは|調製食料品・飲料・たばこの分類と実務ポイント解説

HSコード第4部は、原材料としての農水産物ではなく、人が直接消費することを前提とした食品・飲料・嗜好品を中心に構成される部です。第1部〜第3部が「自然物・一次加工品」を扱うのに対し、第4部は「調製・加工・完成品」という位置づけになります。

この部の最大の特徴は、単なる物理的加工(切断・冷凍・乾燥)ではなく、以下のような人為的な調製行為が分類の決定要素になる点です。

・加熱、焼成、煮沸、揚げなどの調理工程
・砂糖、塩、香辛料、添加物による味付け
・複数原材料の混合・配合
・発酵、熟成、醸造といった工程
・飲料化、ペースト化、粉末化

また、第4部は関税分類だけで完結せず、食品衛生法、酒税法、たばこ事業法など国内法規制と密接に結びついている点が、実務上きわめて重要です。HSコードの誤りが、輸入差止め・追加課税・表示修正につながるケースも少なくありません。

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第4部に含まれる類一覧(第16類〜第24類)

以下は、第4部全体を俯瞰できるよう、類・主要見出し・代表的な6桁コードをまとめた一覧表です。

主な分類6桁コード例分類されるものの例
第16類肉・魚介類の調製品1601.00ソーセージ、加工肉
1602.50牛肉の調製品
1604.14マグロの調製品
第17類糖類・砂糖菓子1701.99砂糖
1704.90キャンディ、ガム
第18類ココア・調製品1805.00ココア粉
1806.32チョコレート
第19類穀粉・デンプン調製品1902.19パスタ
1905.90パン、ビスケット
第20類野菜・果実調製品2007.99ジャム
2009.89果実ジュース
第21類その他調製食料品2103.90調味料
2106.90即席食品
第22類飲料・酒類・酢2202.99清涼飲料
2208.90蒸留酒
第23類食品工業残留物2306.90油かす
2309.90飼料
第24類たばこ・代用品2402.20紙巻たばこ
2404.11加熱式たばこ

第4部全体の分類の基本的な考え方

第4部を正確に分類するためには、次の観点を段階的に確認します。まず重要なのは、「未加工の原材料か」「人の消費を目的とした調製品か」という大枠の判断です。

次に、
・調理や味付けが行われているか
・複数の原材料が混合されているか
・飲料として完成しているか

といった加工度合いを確認します。

さらに実務では、
・主たる原材料は何か
・商品の本質的な性格は何か(主食・嗜好品・調味料など)
・他の類により具体的に該当しないか

という「除外思考」が重要になります。

第4部は「とりあえずここに入れる」部ではなく、他の部・類を検討したうえで最終的に到達する部である点を常に意識する必要があります。

類別解説①|第16類〜第18類(動物性・嗜好品系)

第16類は、肉・魚介類が加熱・味付け・缶詰化などにより「調製品」となったものを扱います。
単なる冷凍や切断では第1部・第3部に留まりますが、調理性が加わった時点で第16類へ移行します。

第17類と第18類は混同されやすい分野です。
砂糖菓子は第17類、ココアを含む場合は第18類となり、ココア含有の有無・割合が実務上の判断軸になります。

これらの類は嗜好品としての性格が強く、成分表・製造工程の確認が不可欠です。

類別解説②|第19類〜第21類(主食・調味・即席系)

第19類は、穀粉・デンプンを主原料とする調製食品が中心です。
パン、パスタ、麺類など、日常的な主食が多く含まれます。

第20類は、野菜・果実を原料としつつ、加熱・糖漬け・保存処理が行われたものが対象です。
生鮮や単純冷凍との差異が分類の境界になります。

第21類は、他の類に明確に該当しない調製食品の集合体です。
スープ、ソース、即席食品など、実務では最終判断の受け皿となることが多い類です。

類別解説③|第22類〜第24類(規制・税制が絡む分野)

第22類は飲料全般を扱い、アルコール度数や発酵の有無が分類を左右します。
清涼飲料と酒類では、関税だけでなく酒税の有無が実務上の大きな分岐点になります。

第23類は、人の直接消費を目的としない副産物・残留物が対象です。
用途の確認を誤ると、完全に別の部へ分類されるリスクがあります。

第24類はたばこ製品で、関税分類と国内規制がほぼ一体化している分野です。
製品形態(紙巻・加熱式・刻み)による差異が重要です。

食品系HSコード判定フロー(第4部:第16類〜第24類) 加工度 → 用途 → 形態 → 主原料・性格 → 規制 開始:商品情報を確認 ・成分表(主原料、添加物) ・工程(加熱、発酵、混合、味付け) 判定1:調製・加工があるか 加熱・味付け・混合・発酵・保存調製など (冷凍・乾燥・切断のみは別部の可能性) YES NO 補足:未加工寄りなら第1〜3部の可能性 生鮮・冷蔵・単純冷凍・単純乾燥など 判定2:飲料として完成しているか 液体で飲用目的、希釈して飲む製品を含む YES NO 第22類の検討:飲料・酒類・酢 清涼飲料、発酵飲料、蒸留酒、酢など 判定3:規制・税制の確認 酒税・表示・添加物・輸入規制を確認 結論候補:第22類(飲料・酒類・酢) 固形食品・その他(第16〜21類・23類・24類) 1) 動物性調製品 → 第16類 2) 砂糖菓子 → 第17類 3) ココア・チョコ → 第18類 4) 穀粉・デンプン調製 → 第19類 5) 野菜・果実調製 → 第20類 6) その他調製食品 → 第21類 7) 食品工業残留物 → 第23類 8) たばこ・代用品 → 第24類 結論候補:第16〜21類・23類・24類

この図解は一般的な判断手順を整理した参考資料であり、最終的なHSコードの確定を保証するものではありません。実際の分類にあたっては、個別商品の成分・製造工程・用途を踏まえ、関税率表の注釈や税関・専門家への確認を行ってください。

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実務でよくある誤分類Q&A(第4部)

Q. 冷凍チャーハンは第19類か第21類か
A. 穀粉主体ではないため、第21類となるのが一般的です。

Q. 果汁100%ジュースは第20類か第22類か
A. 飲料として完成しているため第22類です。

Q. 味付けナッツは第2部か第4部か
A. 調味されている場合、第4部に分類されます。

Q. アルコール0.5%未満の飲料は酒類か
A. 酒税法上は非酒類でも、HS上は第22類となる場合があります。

Q. 加熱式たばこ用スティックは第24類か
A. たばこ代用品として第24類に分類されます。

まとめ|第4部は「加工度」「用途」「規制」の三点で判断する

HSコード第4部は、単なる食品分類ではなく、
加工度・用途・法規制が複雑に絡み合う部です。

原材料ベースで考えるのではなく、
「どの工程を経て」「どの形で」「誰がどのように消費するか」
という完成品視点で捉えることが、誤分類を防ぐ最大のポイントです。

第1部〜第3部で培った基礎理解を土台に、第4部では一段深い実務判断が求められます。

参考外部リンク

・世界税関機構(WCO)HS解説
https://www.wcoomd.org
・税関 日本|関税率表・品目分類
https://www.customs.go.jp
・食品衛生法関連情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp

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2025年12月22日 | 2026年1月13日