HSコード第9部とは|木材・木製品・コルク製品の分類と実務ポイント

HSコード第9部とは|木材・木製品・コルク製品の分類と実務ポイント

HSコード第9部とは|木材・木炭および木製品の分類体系

HSコード第9部は、森林資源を原料とする木材およびその加工品を対象とする部です。
原木、製材品、合板、建具、木炭に至るまで、建築・家具・包装・燃料など幅広い産業で使用される製品が含まれます。

国際貿易の実務において第9部は、
・加工度による細かな区分
・用途による分類差
・環境・伐採規制との関係
といった要素が複雑に絡み、誤分類が起こりやすい部でもあります。

特に第44類は、同じ「木材」であっても、加工の段階が一つ進むだけでコードが変わるため、製品状態の正確な把握が不可欠です。

第9部に含まれる類一覧(第44類〜第46類)

第9部は、以下の3つの類で構成されています。

類名
第44類木材および木炭、木製品
第45類コルクおよびコルク製品
第46類わら、エスパルトその他の編物材料およびその製品

これらは「森林由来素材」という共通点を持ちつつ、加工方法や用途の違いによって明確に区分されています。

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第44類|木材および木炭、木製品

第44類は、第9部の中でも最も取扱頻度が高く、実務上の判断ポイントが多い類です。
原木、製材品、単板、合板、建具、その他木製品までを広く包含します。

主な6桁コード例(第44類)

コード内容
44.01燃料用木材、木炭
44.03原木(皮付き・皮むき)
44.07製材した木材(厚さ6mm超)
44.08単板(ベニヤ)
44.12合板、ベニヤ板、積層木材
44.18建具用木製品(ドア、窓、枠等)
44.21その他の木製品

分類の考え方(第44類)

第44類では、次の要素が段階的に判断されます。

  1. 燃料用か、材料用か
  2. 原木か、製材品か
  3. 接着・積層などの加工があるか
  4. 建築用途として完成しているか

例えば、
・丸太の状態 → 44.03
・板材に製材 → 44.07
・接着して合板化 → 44.12
・ドアとして完成 → 44.18

といった具合に、加工の進行に伴って分類が変化します。

第45類|コルクおよびコルク製品

第45類は、コルク樫を原料とする製品を対象とした類です。
木材製品と混同されがちですが、コルクは独立した分類体系を持ちます。

主な6桁コード例(第45類)

コード内容
45.01天然コルク(原料、破砕品を含む)
45.03コルク製品(栓、板、タイル等)

分類の考え方(第45類)

・原料段階か
・成形・加工済みか
・他素材と結合しているか

が判断軸となります。
木材製の栓とコルク栓を誤って同一分類にしないよう、材質確認が重要です。

第46類|わら・編物材料およびその製品

第46類は、植物性繊維を原料とし、編む・組む加工を施した製品を対象とします。
伝統工芸品から日用品まで、幅広い製品が含まれます。

主な6桁コード例(第46類)

コード内容
46.01編物材料(わら、竹、籐、葦など)
46.02かご、バスケット、マット等

分類の考え方(第46類)

・素材が植物性繊維か
・加工方法が編組か
・完成品か材料か

という点が重視されます。
木板を加工した製品は第44類、編組製品は第46類という切り分けが基本です。

第9部全体に共通する分類判断の基本軸

第9部では、以下の視点を順に確認することで分類精度が高まります。

  1. 原料が木材・コルク・植物繊維のいずれか
  2. 未加工・半加工・完成品のどこに該当するか
  3. 接着・積層・成形などの加工有無
  4. 主たる用途が何か

これらを整理することで、判断根拠を明確に説明できる申告が可能になります。

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実務上の注意点(第9部)

・加工度の差による誤分類が多い
・木材の種類(針葉樹・広葉樹)が問われるケースがある
・建築用完成品は用途分類に注意
・一部製品は伐採規制や原産地規制の対象となる

特に輸入時には、インボイスや仕様書に「加工状態」が明確に記載されているかが重要です。

対象製品の確認 原料は何か 木材・コルク・植物繊維 木材が主原料 第44類 コルクが主原料 第45類 加工度の確認 原木・製材・合板・建具 誤分類注意 製材と合板、合板と建具の境界 加工状態の確認 原料か成形品か 誤分類注意 木製品(第44類)との混同 編む・組む加工か 竹・籐・わら等 第46類 編物材料・かご・マット等 最終確認ポイント ・原料の材質 ・加工度と完成度 ・実際の用途

よくある誤分類Q&A(HSコード第9部)

このセクションでは、実務で特に問い合わせや修正が多い誤分類例を、類ごとに整理します。
第9部は「加工度」と「素材」の見誤りが原因となるケースが非常に多い点が特徴です。

第44類|木材および木炭、木製品の誤分類Q&A

Q1:原木を皮付きのまま輸入する場合、製材品として分類されますか?

いいえ、分類されません。
皮付き・皮むきにかかわらず、製材されていない丸太の状態であれば原木として第44.03項に分類されます。製材(角材・板材)されて初めて第44.07項の対象となります。

Q2:厚さ6mm以下の木板はすべて単板(44.08)ですか?

必ずしもそうではありません。
厚さが6mm以下であっても、単なる薄板ではなく、用途や加工状態によっては別の項に該当する場合があります。単板として分類されるかどうかは、合板用として剥離・切削された状態かが判断基準となります。

Q3:合板の一部を切断しただけでも建具(44.18)になりますか?

なりません。
ドアや窓として使用できる形状・寸法まで加工されていない場合は、合板として第44.12項に分類されます。「用途として完成しているか」が建具分類の重要な判断ポイントです。

Q4:木炭は燃料用であれば必ず44.01ですか?

原則として44.01に分類されます。ただし、活性炭など化学的処理を施したものは、第38類など他部に分類される可能性があるため注意が必要です。

第45類|コルクおよびコルク製品の誤分類Q&A

Q5:コルク栓は木製品(第44類)に分類できますか?

できません。コルクは木材とは別に独立した分類体系を持つため、コルク栓は第45.03項に分類されます。外見が似ていても、材質によって類が異なる典型例です。

Q6:粉砕されたコルクくずは製品扱いになりますか?

なりません。粉砕された状態であっても、再加工前の原料であれば第45.01項(天然コルク)に分類されます。成形や接着が行われて初めて製品扱いとなります。

Q7:コルクとゴムを混ぜた製品は第45類ですか?

必ずしも第45類とは限りません。複合材料の場合は、どの素材が主たる性質を有するかによって分類が決まります。この判断を誤ると、ゴム製品として別部に分類される可能性があります。

第46類|わら・編物材料およびその製品の誤分類Q&A

Q8:竹製のかごは木製品(第44類)ですか?

いいえ、第46類に分類されます。竹や籐などを「編む」「組む」加工を施した製品は、第46.02項が基本となります。同じ植物由来でも、加工方法によって類が異なります。

Q9:編む前の竹素材は完成品と同じ分類ですか?

異なります。材料段階であれば第46.01項、完成したかごやマットであれば第46.02項に分類されます。
完成度の違いが分類を左右します。

Q10:木板を組み合わせただけの箱は第46類になりますか?

なりません。板材を切断・組立しただけの箱は、編組製品ではないため第44類に分類されます。「編む・組む加工かどうか」が第46類の決定的な判断基準です。

第9部共通|横断的な誤分類Q&A

Q11:加工が少ない場合は必ず原材料側に分類されますか?

必ずしもそうではありません。
加工の程度が軽微であっても、用途として完成品と判断されれば、完成品側に分類されることがあります。見た目だけでなく、機能と使用目的の確認が重要です。

Q12:HSコード判断に迷った場合、何を優先して確認すべきですか?

以下の順で整理すると判断しやすくなります。

  1. 原料の材質
  2. 加工の有無と程度
  3. 製品の完成度
  4. 実際の用途

この順序で確認することで、誤分類の多くは回避できます。

Q13:写真だけで分類判断しても問題ありませんか?

推奨されません。写真に加えて、仕様書や加工工程の説明があることで、判断精度が大きく向上します。特に第44類では、加工状態の説明が不可欠です。

まとめ|HSコード第9部の理解ポイント

HSコード第9部は、
・森林資源由来製品を体系的に整理
・加工の進行段階が分類の鍵
・第44類が実務上の中心
という特徴を持ちます。

製品の状態を正確に把握し、段階的に分類判断を行うことが、トラブル防止と通関円滑化につながります。

参考外部リンク(公式・実務向け)

・税関
https://www.customs.go.jp/

・世界税関機構(WCO)
https://www.wcoomd.org/

・CITES
https://cites.org/

※木材製品の一部はCITES規制対象となる場合があるため、必ず最新情報を確認してください。

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2025年12月26日 | 2026年1月13日