【業種・事務所】大事なところだけ覚える宅建業法・まとめ-1

学習

このページは、令和2年に開催される宅地建物取引士試験に合わせて記述されています。参照される際は免責事項をご確認の上ご利用ください。

宅建業法の基本

宅建業(宅地建物取引業)とは、「宅地・建物」の「取引」を「業」として行う事をいいます。宅建業を営むには免許を必要とします。それぞれの言葉の意味を理解しておきましょう。

宅建業法上の、宅地・建物・取引・業

宅建業法上の、宅地・建物・取引・業に該当する行為を行うには、例外を除いて免許を必要とします。

宅地とは

宅建業法で言う「宅地」とは、一般的にいう「宅地」と異なり以下のものをいいます。

  1. 現在、建物が建っている土地
  2. これから建物を建てる目的で取引する土地
  3. 用途地域内の土地

現在建物が建っているのであれば、種類・場所を問わずそれらは「宅地」です。また、登記簿上の地目が何であってもこれから先建物が建つのであれば宅地」となります。さらに、用途地域内の土地は人がたくさん住む地域ですので、そのうち「宅地」となるので一定の公共用施設以外の土地はすべて宅地」とみなされます。

建物とは

宅建業法で言う「建物」も、一般的にいう「建物」と異なり以下のものをいいます。

  1. 屋根と柱(壁)のある工作物

住宅だけでなく、別荘や、倉庫、マンションの一室、建物の一部も建物とみなされます。さらに宅建業法では、共有物として扱われるリゾートクラブ会員権の売買は建物の売買として扱われています。

取引とは

宅建業法でいうと「取引」とは、次に該当するものをいいます。

  1. 自ら当事者となって、売買、交換を行う
  2. 他人を代理して、売買、交換、貸借を行う
  3. 他人間を媒介して売買、交換、貸借を行う

自ら当事者となり貸借・転貸を行う場合は宅建業法の取引に該当しません。もちろん、建物の建築を請け負うこと、宅地の造成を請け負うこと、ビルの管理行為を行うことも宅建業法の取引には該当しません。

業とは

宅建業法でいうと「業」とは、次のすべてに該当するものをいいます。

  1. 不特定多数の人を相手方とする取引
  2. 反復継続する取引
Aさんは自分の土地を10区画に区画割りして、不特定多数の人に2年間販売する行為業に該当する不特定多数
反復継続
Aさんが自分の土地を10区画に区画割して宅建業者に一括して売却する行為業に該当しない反復継続ではない
Aさんが自分の土地を10区画に区画割して宅建業者に販売代理を依頼する行為業に該当する不特定多数
反復継続
法人Aが、自社の従業員のみに、売却する行為業に該当しない不特定多数ではない
例:「業」に該当するか?

免許を必要としない例外

  1. 信託会社・信託銀行
  2. 国・地方公共団体等

信託会社や信託銀行は宅建業法上の免許に関する規定が適用されません。これらの業務を営むには宅建業法上の規定よりさらに厳しい信託業法の規定があります。しかし、宅建業として業務を行うには一定事項を国土交通大臣に届け出る必要があります。

国・地方公共団体は宅建業法の規定が一切適用されません。また、地方公共団体「」とは、都市再生機構や地方住宅供給公社が含まれます。しかし、農協は含まれていませんので免許を必要とします。

事務所と免許

宅建業を営むには免許が必要ですが、免許は2種類あります。免許の種類は事務所の数と所在地で異なります。事務所と、免許について知っておきましょう。

事務所とは

事務所とは、下記のことをいいます。

  1. 本店
  2. 宅建業を営む支店
  3. 継続的に業務を行うことができる施設を有する場所で、契約締結権限を有する使用人がおかれている場所

支店は宅建業を営む支店だけが事務所に当たりますが、本店は常に宅建業法上の事務所とみなされます。本店を「主たる事務所」支店を「従たる事務所」といいます。案内所や、モデルルームなどは事務所とはみなされません。

事務所に設置しなければならないもの

宅建業法上の事務所となる場合、下記のものを設置する義務が発生します。

  • 標識の掲示
  • 報酬額の掲示
  • 従業員名簿
  • 帳簿
  • 成年者である専任の宅地建物取引士

帳簿は事業年度末日に閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅に係るものは閉鎖後10年間)保存する義務があります。従業員名簿は取引関係者から提示を求められた場合は閲覧させる義務があります。

事務所ごとに、従業員の5人に1人以上の割合で専任の宅地建物取引士を設置する義務があります。この割合が欠ける場合、2週間以内に補充する必要があります。また、非常勤やパート、アルバイトを含むすべての従業員には従業者証明書を携帯させる必要があります。

免許を与える、免許権者

宅建業の免許は、国土交通大臣と、都道府県知事から受けます。どちらの免許を受けるかは、事務所の場所で決まります。

1つの都道府県内のみに事務所を設置
(事務所の数は問わない)
都道府県知事の免許
2つ以上の都道府県内に事務所を設置国土交通大臣の免許

免許の申請は、免許権者に直接申請します。しかし、国土交通大臣の免許を申請する際、主たる事務所の所在する都道府県知事を経由して申請します。またどの免許でも全国で営む事ができます。

免許の有効期限

免許の有効期限は、5年です。

免許の更新

免許を更新するときは、有効期間満了日の90日前から30日前から更新手続きを行う必要があります。更新後の免許の有効期間は、旧免許の有効期間満了日の翌日から5年です。

免許換え

宅建業者は事務所の新設や廃止、本店の移転などで、免許を受けなおす必要がある場合があります。免許換えを行うと免許番号が変わります

知事免許へ免許換え直接申請
大臣免許へ免許換え主たる事務所の所在地を管轄する知事を経由して申請
免許換え後の有効期間免許換えの日から5年

廃業の届出

事由届出義務者届出期限免許失効の時期
死亡
(個人)
相続人死亡を知った日から30日以内死亡時
合併
(法人)
消滅会社の代表役員その日から30日以内合併時
破産
(個人・法人)
破産管財人その日から30日以内届出時
解散
(法人)
清算人その日から30日以内届出時
廃業
(個人・法人)
個人 -> 本人
法人 -> 代表役員
その日から30日以内届出時

欠格事由

免許を与えるには、免許を受ける個人・法人に問題が無いかチェックする必要があります。この基準を免許の基準(免許を与えない基準)といいます。

免許申請者自身が抱える欠格事由

破産手続き開始の決定を受け、復権を得ない者
禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者
一定の刑で罰金に処せられ、その刑の執行が終わった日から5年を経過しない者
(宅建業法、傷害在、現場助勢罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、背任罪、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の違反、暴力行為等処罰に関する法律の罪)
暴力団員または暴力団員で亡くなった日から5年を経過しない者
免許の申請前5年以内に宅建業に関し不正又は著しく不当な行為をした者
宅建業に関し不正又は不誠実な行為をする恐れが明らかな者
心身の故障により宅建業を適正に営むことができない者として国土交通省令で定めるもの
不正手段による免許取得、業務停止処分対象行為で情状が特に重い、業務停止処分違反により免許を取り消され、取消日から5年を経過しない者
法人で、不正手段による免許取得、業務停止処分対象行為で情状が特に重い、業務停止処分違反により免許を取り消された際、免許取消処分の聴聞期日・場所の公示日60日以内に役員であったもので、取消日から5年を経過しない者
上記の期間内に合併によって消滅した法人もしくは、解散・廃業の届出のあった法人の聴聞の期日及び場所の公示日前60日以内に役員であったものでその消滅・廃業の届出の日から5年を経過しない者

関係者が抱える問題

宅建業に係る営業に関し、成年者と同一の行為能力を有しない未成年者で、その法定代理人が免許申請者自身が抱える欠格事由に該当する場合
法人で、役員又は政令で定める使用人が免許申請者自身が抱える欠格事由に該当する場合
個人で、政令で定める使用人が免許申請者自身が抱える欠格事由に該当する場合
暴力団員等がその事業活動を支配する場合

申請手続の問題

宅建業法が定める事務所について法定数の成年者である専任の宅地建物取引士を置いていない者
免許申請書等の重要な事項について虚偽の記載又は重要な事実の記載が欠けている者

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