MT195/196の概要
SWIFT カテゴリ1にリストされている、MT195とMT196はその役割からペアでよく使用されます。
MT195の概要
MT195は、顧客送金や小切手処理に関連して「送金の状況を確認するための照会依頼」を送る際に利用されるSWIFTメッセージです。簡単に言うと、「送ったお金が着金しているか?」「処理が止まっていないか?」を確認するための問い合わせ電文 です。
MT196の概要
MT196は、MT195(照会依頼)に対する正式な回答 を行うためのSWIFTメッセージです。
「送金がどうなっているか」「処理状況やエラー内容は何か」などを、受けた銀行が発信銀行へ返答するために使用されます。
MT195/196の役割
MT195の役割
MT195には発信銀行が、受取銀行や中継銀行に対して「送金の進捗」や「処理の有無」を確認する役割があります。そのため、取引に不整合や遅延があった場合、公式に問い合わせる手段となる訳です。次に説明するMT196(回答メッセージ) とペアで使われることがほとんどです。
MT196の役割
照会(MT195)を受けた銀行が、その結果をMT196で回答します。送金が完了しているか、処理中か、エラーで停止しているかを伝える役割があります。また、必要に応じて補足説明や今後の対応方法を記載します。
MT195/196が利用されるシーン
MT195が使用されるシーン
- 顧客から「送金したのに相手に届いていない」と苦情があった場合
- 送金日数を過ぎても着金確認が取れない場合
- 送金内容に誤りがあった可能性を確認する場合
- コルレス銀行を経由しており、どこで止まっているかを特定する必要がある場合
MT196が使用されるシーン
- 発信銀行から「送金が未着だがどうなっているか?」というMT195を受信した場合
- 照会を受けた銀行が「すでに着金済み」「現在コンプライアンス審査中」「誤入力で処理保留中」といった回答を送る場合
- 顧客クレーム対応や銀行間調整の一環として用いられる
MT195/196の特徴
MT195の特徴
自由記述も可能で、状況に応じた具体的な質問を記載できます。実務上は、銀行間のトラブル対応や顧客対応で頻繁に使用されます。つまり、送金の透明性を確保するための補助的なメッセージとなる特徴があります。
MT196の特徴
MT195とセットで運用されることが多く(Q&Aの関係で、MT196はAに該当)、メッセージ内で取引参照番号を示し、どの送金に関する回答かを明確にします。曖昧な回答ではなく「処理済」「未処理」「保留理由」など、銀行間の公式な説明責任を果たす役割が特徴です。
MT195 と MT196 の比較表
| 項目 | MT195 | MT196 |
|---|---|---|
| 名称 | 照会依頼メッセージ | 照会回答メッセージ |
| 役割 | 送金の状況を確認するための問い合わせ | 照会依頼に対する公式な回答 |
| 主な送信者 | 発信銀行(依頼人側の銀行) | 受取銀行・中継銀行(照会を受けた銀行) |
| 利用シーン | 「送金が未着だがどうなっているか?」と問い合わせる | 「すでに着金済み」「現在審査中」「誤入力で保留中」と回答する |
| やり取りの関係 | 質問(Q) | 回答(A) |
| 重要性 | トラブルの発生源を特定する手段 | トラブル解消・状況説明の責任を果たす |
MT195/196のポイント
- MT195とMT196は セットで使われることが前提。
- MT195 = 質問(Where is my payment?)
- MT196 = 回答(Your payment has been credited / pending / rejected.)
- 国際送金におけるトラブル対応の定番コンビ。
MT195/196のまとめ

MT195は「送金の行方を確認するための公式な問い合わせメッセージ」で、特に国際送金では、複数の銀行を経由するため「どこで止まっているのか」を突き止めるために欠かせません。受信側の銀行は、これに対して MT196 を返答するのが基本的な流れです。
MT196は「送金の状況を照会された際の正式な回答メッセージ」です。国際送金では顧客からの問い合わせが頻発するため、MT195とMT196は実務上セットで欠かせない存在です。銀行間の透明性を高め、トラブル解消に役立ちます。