株式投資とFXは別の金融商品ですが、注文方法の考え方はかなり共通しています。どちらも「どの価格で新規注文を出し、どの条件で決済するか」を決める取引だからです。
注文方法を理解していないと、意図しない価格で約定したり、利益確定や損切りが遅れてしまったりします。特に初心者のうちは、注文の種類が多く感じて混乱しやすいので、まずは基本の型を押さえるのがおすすめです。
この記事では、株とFXの両方でよく使われる通常注文、OCO、IFD、IFDOCOを、仕組みと使いどころに絞ってわかりやすく解説します。
注文方法は4つを押さえれば十分
証券会社やFX会社によって名称の表示や画面の作りは違いますが、代表的な注文方法は次の4つです。
- 通常注文
- OCO注文
- IFD注文
- IFDOCO注文
覚え方のコツは、複合注文も結局は「通常注文を組み合わせて自動化したもの」と捉えることです。仕組みが見えれば、名前の難しさは気にならなくなります。
まず押さえたい基本|通常注文(成行・指値)
通常注文は、1つの条件で注文を出す最もシンプルな方法です。複合注文も、元をたどると通常注文に分解できます。まずはここをしっかり理解しておくと、後が楽になります。
成行注文とは
成行注文は価格を指定せず、提示されている価格でできるだけ早く約定させる注文です。すぐに成立しやすい反面、相場が荒れていると想定より不利な価格で約定することがあります。
初心者のうちは、相場が急変しやすいタイミング(重要指標の発表直後、寄り付き直後、材料発表直後など)での成行は避けたほうが無難です。
指値注文とは
指値注文は、あらかじめ価格を指定して出す注文です。指定した価格でしか約定しないため、意図しない価格で成立するリスクを下げられます。初心者は基本的に指値を軸に考えると安定します。
FXでは指値に加えて逆指値(ストップ)という言葉もよく出てきます。これは「この価格になったら損切りする」など、条件で発動する注文として使われることが多いです。名称は違っても、目的は利益確定や損切りの自動化だと理解すると整理しやすくなります。
OCO注文とは|利益確定と損切りを同時に出す方法
OCO注文は、2つの注文を同時に出し、どちらか一方が成立したらもう一方が自動的に取り消される注文方法です。ポジションを持っているときの出口戦略を、同時に管理できるのが特徴です。
OCOのイメージ
たとえば保有中のポジションに対して、次の2つを同時に置きます。
- 利益確定の注文(目標価格で決済)
- 損切りの注文(許容ラインで決済)
相場が上に動けば利益確定が成立し、損切り側は不要になるので自動でキャンセルされます。逆に相場が下に動けば損切りが成立し、利益確定側がキャンセルされます。結果として「どちらかが成立したら、もう一方は消える」という管理ができます。
OCOが向いている場面
- 取引画面を常に見られないとき
- 感情で判断せず、ルール通りに決済したいとき
- 利確と損切りをセットで管理したいとき
初心者の注意点
OCOは便利ですが、2つの注文が同時に動くため、どの注文がどの条件で成立するのかを必ず確認しましょう。特にFXでは、逆指値(ストップ)側の設定を間違えると、意図せず早く決済されることがあります。最初は小さな数量で動きを確認するのがおすすめです。
IFD注文とは|新規が成立したら決済も自動で出す方法
IFD注文は「最初の注文が成立したら、次の注文を自動で出す」注文方法です。新規注文と決済注文をセットにできるので、エントリーから出口までの流れを組み立てやすくなります。
IFDの流れ
- ステップ1:新規注文を出す(買い、または売り)
- ステップ2:新規が約定したら、決済注文が自動で出る
株なら「買えたら、次はこの価格で売る」という形で使えます。FXでも「新規が成立したら、決済の指値を自動で置く」という形で同じ発想で使えます。
IFDが向いている場面
- 買った(売った)後の出口を先に決めておきたいとき
- 仕事中などで、エントリー後の操作ができない可能性があるとき
- 利確のルールを機械的に守りたいとき
初心者の注意点
IFDは「最初の注文が成立しない限り、次の注文は出ません」。たとえば新規の指値が届かなければ、決済注文も永遠に出ないということです。新規注文が成立した前提で考えてしまうと、想定とズレるので注意しましょう。
IFDOCO注文とは|エントリーから利確・損切りまで一括で設定する方法
IFDOCOは、IFDとOCOを組み合わせた注文方法です。言葉だけ見ると難しく見えますが、順番に分解すると理解できます。結論から言うと「新規が成立したら、利確と損切りの2本を同時に置く」注文です。
IFDOCOの流れ
- ステップ1:新規注文を出す(買い、または売り)
- ステップ2:新規が約定したら、利確と損切りの2つの決済注文が同時に出る
- ステップ3:利確か損切りのどちらかが成立すると、もう一方は自動でキャンセルされる
IFDOCOが向いている場面
- 忙しくて相場を頻繁に確認できないとき
- エントリーから出口まで、ルールを固定して淡々と運用したいとき
- 利確と損切りをセットにして、放置できる形にしたいとき
初心者の注意点
IFDOCOは「設定ミスがあると、意図しない決済」につながりやすい注文でもあります。特に確認したいのは次の3点です。
- 新規注文が成立する条件(価格、期限)
- 利確の条件(どの価格で決済するか)
- 損切りの条件(どの価格で決済するか、逆指値の方向が合っているか)
慣れるまでは、注文を出したあとに注文一覧で「今どういう注文が置かれているか」を毎回チェックする癖をつけると安心です。
初心者向けの覚え方|段階的に使うのがおすすめ
複合注文は便利ですが、最初から全部使いこなす必要はありません。初心者は次の順番で理解すると混乱しにくいです。
- まずは通常注文(指値)で、約定の感覚をつかむ
- 次にOCOで、利確と損切りをセット管理する
- その次にIFDで、新規と決済の流れを自動化する
- 最後にIFDOCOで、エントリーから出口まで一括管理する
ポイントは、複合注文は「安全のための自動化」でもある一方で、「設定が複雑になる」という側面もあることです。自分が理解できる範囲で、少しずつ使うのが失敗しにくい進め方です。
注文方法を選ぶときの実践チェックリスト
初心者が迷いやすいのは「どの注文を選べばいいか」です。次のチェックリストで考えると整理しやすくなります。
- 今、取引画面を見続けられるか(見られないならOCOやIFDOCOが候補)
- エントリー後に手動で決済注文を出せるか(不安ならIFDやIFDOCOが候補)
- 損切りのラインを事前に決められているか(決められるならOCOやIFDOCOが強い)
- 設定ミスが怖いか(怖いなら通常注文から段階的に)
よくある質問(FAQ)
株とFXで、注文方法はまったく同じですか?
考え方はかなり共通しています。新規注文と決済注文をどう組み合わせるか、という点は同じです。ただしFXでは、逆指値(ストップ)や証拠金など、運用上の要素が追加されます。この記事では、注文方法の基本に絞って説明しています。
初心者は成行注文を使わないほうがいいですか?
必ずしも禁止ではありませんが、慣れるまでは慎重が良いです。値動きが荒い時間帯では想定より不利な価格で成立することがあります。まずは指値注文を基本にして、必要な場面だけ成行を検討するのが安全です。
OCOやIFDOCOは便利そうですが、最初から使っても大丈夫ですか?
使っても構いませんが、最初は小さな数量で試し、注文一覧で状態を確認しながら慣れるのがおすすめです。設定を誤ると意図しない決済につながるため、仕組みを理解してから使うことが大切です。
まとめ|注文方法を理解すると、取引が安全で楽になる

株とFXでは商品性は違いますが、注文方法は共通する部分が多く、基礎として覚えておく価値があります。通常注文(成行・指値)を土台に、OCO、IFD、IFDOCOは「利確・損切り・決済の自動化」として理解すると整理しやすくなります。
初心者のうちは、まず指値を基本にし、必要に応じてOCOやIFDで自動化を増やしていくのがおすすめです。自分が理解できる範囲で段階的に取り入れることで、取引のミスを減らし、安定した運用に近づけます。
参考外部リンク
- 金融庁|金融商品取引の基礎知識
https://www.fsa.go.jp/teach/chuukousei.html
株やFXを含む金融商品取引の基本的な考え方について、金融庁が公式に解説しています。 - 東京証券取引所|株式の取引方法
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/index.html
株式取引における注文方法や約定の仕組みを、取引所の視点から確認できます。 - SBI証券|株式注文の種類について
https://www.sbisec.co.jp/
通常注文、OCO、IFD、IFDOCOの考え方を、実際の取引画面ベースで確認できます。 - 楽天証券|注文方法(株式)
https://www.rakuten-sec.co.jp/web/domestic/stock/order/
初心者向けに、各注文方法の使い分けが整理されています。 - 外為どっとコム|FXの注文方法とは
https://www.gaitame.com/learn/forex/order.html
FXにおける成行・指値・逆指値・IFD・OCO・IFDOCOの基本がまとめられています。