株取引のPTSとは何か?時間外取引の仕組みとメリット・注意点を初心者向けに解説

株取引のPTSとは何か?時間外取引の仕組みとメリット・注意点を初心者向けに解説

PTSとは、証券取引所(東証など)とは別の仕組みで、取引時間外にも株を売買できる私設取引システムです。本記事ではPTSの意味、通常取引との違い、メリット・デメリット、向いている使い方を投資初心者向けに整理します。取引の選択肢を増やしつつ、失敗しやすいポイントも避けられるように解説します。

PTSとは?ひとことで言うと「取引所の外でできる株取引」

PTSは「私設取引システム(Proprietary Trading System)」の略で、証券取引所ではない場所で行われる株式の売買の仕組みです。日本では金融商品取引法にもとづき、認可を受けた事業者がPTSを運営しています。

株式売買というと、東京証券取引所のような取引所で売買するイメージが強いと思います。しかし実務上は、取引所での売買に加えて、PTSという別ルートの売買が存在します。ニュースや決算発表が出た直後など、取引所が閉まっている時間でも取引したいニーズに応えるのが、PTSの役割のひとつです。

通常取引(取引所)とPTSの違い

違い1:取引できる時間帯が広い

通常の株取引は、取引所が開いている時間内で行われます。一方PTSは、証券会社が対応している範囲で、取引所の時間外にも売買できる時間帯があります。

そのため、日中に取引できない人でも、朝や夕方以降に売買の判断ができる点が特徴です。決算や大きなニュースが出た場合に、翌営業日を待たずに対応しやすくなります。

違い2:同じ銘柄でも価格がズレることがある

PTSでは、取引所とは別の需給で価格がつきます。よって同じ銘柄でも、取引所の株価とPTSの株価が一致しないことがあります。たとえば取引所で1000円でも、PTSでは998円や1002円になっている、といったズレが起きる場合があります。

このズレは常に有利とは限りません。価格が有利に見えても出来高が少なく約定しにくいケースや、わずかな注文で値が飛ぶケースもあるため、価格だけで判断せず、板の状況や注文方法まで含めて考えることが大切です。

違い3:流動性(売買の成立しやすさ)が銘柄や時間帯で変わる

取引所に比べると、PTSは参加者が少ないことがあり、銘柄・時間帯によっては流動性が低くなりがちです。流動性が低いと、希望する価格で売買が成立しにくくなります。初心者ほど、ここでつまずきやすいので注意が必要です。

PTSと取引所(東証)の違い ポイントは「取引できる時間」と「価格がズレる可能性」 取引できる時間のイメージ 日中 取引所(東証) 基本は立会時間内で売買 PTS 開始前の時間帯 PTS 引け後の時間帯 実際の対応時間は証券会社・PTS運営者により異なります 価格と約定の違い(初心者が見落としやすい点) 取引所(東証) 参加者が多く、板が厚くなりやすい 約定しやすい傾向(銘柄による) PTS 取引所と別の需給で価格が決まる 株価がズレる、約定しにくい場合がある 対策:成行を避け、指値を基本にする

PTSを使うメリット

メリット1:時間外に売買できる

PTS最大のメリットは、取引所の時間外でも売買のチャンスがあることです。仕事中に相場を見られない人にとっては、朝や夜の時間帯に発注できるだけでも、取引の自由度が上がります。

メリット2:条件次第で有利な価格で約定する可能性がある

PTSでは取引所と価格がズレることがあります。条件がそろうと、取引所より少し有利な価格で買えたり売れたりすることもあります。

ただし「いつも有利」ではありません。価格が良く見えても、約定しなかったり、スプレッド(買値と売値の差)が大きかったりすることもあるため、メリットは「可能性がある」程度に捉えるのが現実的です。

メリット3:材料が出た直後に素早く反応できる

決算発表、業績修正、大型のニュースなどが取引所の時間外に出ることは珍しくありません。PTSを使えば、翌営業日の寄り付きまで待たずに、ポジション調整やリスク管理をしやすくなる場合があります。

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PTSのデメリットと注意点

注意点1:成行注文は避け、指値を基本にする

PTSは流動性が薄い場面があり、少ない注文で価格が動くことがあります。特に初心者は、意図しない価格で約定するのを避けるために、指値注文を基本にするのがおすすめです。

注意点2:板が薄いと「約定しない」「分割約定する」ことがある

出来高が少ない銘柄や時間帯では、買いたい(売りたい)数量に対して相手がいないことがあります。その結果、注文が成立しない、あるいは一部だけ約定することがあります。取引所の感覚で注文すると、想定よりも取引が進まないと感じるかもしれません。

注意点3:取引所とPTSのどちらで出しているかを意識する

証券会社の取引画面では、同じ銘柄でも「取引所」「PTS」を選べる場合があります。慣れないうちは、どちらに注文を出しているかを毎回確認するだけでもミスが減ります。

取引所(東証)とPTSの違いを比較

比較項目取引所(東証)PTS(私設取引システム)
取引の場所証券取引所取引所外(民間運営)
取引時間立会時間内のみ取引所の時間外も取引可能
主な利用時間帯平日日中朝・夕方・夜間
価格の決まり方取引所内の需給で決定取引所とは別の需給で決定
株価のズレ基準となる価格取引所価格とズレることがある
流動性(出来高)高い傾向銘柄・時間帯により低い場合あり
約定のしやすさ比較的約定しやすい約定しにくいことがある
おすすめの注文方法成行・指値どちらも可指値注文が基本
初心者向きか初心者向き注意点を理解すれば利用可
よく使われる場面通常の売買決算・ニュース発表後の時間外取引

PTSが向いている人・向いていない人

PTSが向いている人

  • 日中に取引できず、朝や夜に発注したい人
  • 決算やニュースなど、時間外の材料に対応したい人
  • 指値を基本に、板や約定状況を見ながら取引できる人

PTSが向いていない人

  • 成行中心でスピード優先の売買をしたい人
  • 板や流動性を確認せずに注文しがちな人
  • 出来高の少ない銘柄を頻繁に売買する人

初心者向け:PTSを使うときの実践チェックリスト

PTSは便利ですが、最初は手順を決めて慎重に使うほうが安全です。次のチェックを習慣にすると失敗が減ります。

  • 注文方法は指値を基本にする
  • 取引所とPTSのどちらで注文するかを確認する
  • 板が薄いときは無理に取引しない
  • 価格がズレている理由を考える(出来高、時間帯、需給など)
  • ニュース直後は値が飛びやすいので数量を控えめにする
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よくある質問(FAQ)

PTSの株価が取引所より安い(高い)のはなぜ?

PTSは取引所とは別の需給で価格が決まるためです。参加者の偏りや、時間帯による流動性の差によって、取引所の価格とズレが生じます。

PTSは誰でも使えるの?

多くの場合、PTSに対応している証券会社の口座を持っていれば利用できます。ただし、証券会社によって対応するPTSや取引時間、対象銘柄が異なるため、利用前に取引画面や案内ページで確認してください。

初心者はPTSを使わないほうがいい?

一律に使わないほうが良い、とは言えません。指値注文を基本にし、板の薄さや約定しにくさを理解したうえで使うなら、時間外取引という選択肢が増えるメリットがあります。最初は小さな金額・少ない数量で試すのが現実的です。

まとめ|PTSは「時間外に動ける」代わりに、板と注文方法が重要

PTSは、取引所の時間外にも株を売買できる仕組みで、決算発表やニュースへの対応など、実務上の利点があります。一方で、取引所より流動性が低い場面があり、価格が飛んだり、約定しにくかったりする点には注意が必要です。

投資初心者の段階では、通常取引を基本にしつつ、PTSは補助的に使うのが安全です。指値注文、板の確認、取引先(取引所かPTSか)の確認を徹底し、少額から慣れていくことで、PTSを「便利な道具」として活かしやすくなります。

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参考外部リンク

2026年1月20日 | 2026年1月19日