HSコード 全21部 実務判断マップ【2026年版】|分類の考え方を体系化

HSコード 全21部 実務判断マップ【2026年版】|分類の考え方を体系化

HSコード 全21部 実務判断マップ

HSコードの分類で迷ったとき、多くの人は「正しい番号」を探そうとします。

しかし実務で本当に必要なのは、番号そのものではなく「なぜその分類に至ったのか」を説明できる判断プロセスです。本記事では、2026年1月1日公表のHSコード(2026年度版)を前提に、全21部を素材・機能・用途・危険性・価値という思考軸で整理し、年度が変わっても使える実務判断マップとしてまとめています。

スポンサーリンク

Step1|素材・原材料が主か?(第1部〜第15部)

最初に確認すべき問いは非常にシンプルです。これは「何かをする物」ではなく、「材料そのもの」か?

この段階で見るポイント

  • 用途がまだ定まっていない
  • 加工はされているが、機能は付与されていない
  • 他の製品の材料として使われる

典型例(ここで確定する)

  • 鉄板・アルミ板 → 金属(第15部)
  • 木材・合板 → 木材製品(第9部)
  • 綿布・化学繊維生地 → 繊維製品(第11部)

迷いやすい例(注意)

  • ネジ・ボルト
    → 「素材」ではなく締結機能を持つ完成品
    → 多くは第15部だが、用途次第で他部も検討

ここで YES の場合、原則として第1部〜第15部で完結します。

Step2|機械・電気的な機能を持つか?(第16部)

素材ではない場合、次の問いに進みます。これは“動く・制御する・電気で働く”装置か?

見るべきポイント

  • モーター・回路・制御機構がある
  • 人の作業を代替・補助する
  • 電源を必要とする

典型例

  • ポンプ、コンプレッサー
  • モーター、発電機
  • 電源アダプター、制御盤

これらは 第16部(機械類・電気機器) が基本です。

迷いやすい例

  • 電動工具 → 機械だが、用途限定があるか次で確認
  • 電子部品 → 汎用品か、専用品かで分岐

Step3|用途が特定分野に限定されているか?(第17部・第18部)

第16部に見えても、「何のための装置か」で分類が変わります。

3-1|輸送を目的とするか?(第17部)

判断ポイント

  • 人や物を運ぶための構造か
  • 移動が主目的か

典型例

  • 自動車
  • バイク
  • 船舶・航空機

これらは第17部(輸送機器)と判断される可能性があります。

迷いやすい例

  • 車載用機器 → 車の一部か、独立機械かで判断が分かれる

3-2|精密・医療・光学・楽器用途か?(第18部)

判断ポイント

  • 測定・診断・観測・演奏が目的か
  • 一般機械より用途が極端に限定されているか

典型例

  • 医療機器
  • 分析装置
  • 顕微鏡、時計、楽器

該当する場合、第18部となる可能性があります。

迷いやすい例

  • 医療用モニター → 汎用ディスプレイとの違いが重要

Step4|武器・弾薬・殺傷性があるか?(第19部)

ここは 最優先で確認すべき分岐 です。攻撃・殺傷・制圧を目的として設計されているか?

典型例

  • 弾薬
  • 武器専用部品

上記に該当する場合、第19部に分類される可能性が高くなります。

迷いやすい例

  • スポーツ用銃
  • 展示用武器

構造・実用性で判断(用途説明だけでは不可)

Step5|それでも違うなら雑品か?(第20部)

ここまで全て NO の場合に、初めて第20部を検討します。

第20部の本質

  • 「分からないから入れる部」ではない
  • 他の全てを否定した結果として残る部

典型例

  • 家具
  • 玩具
  • 日用品

迷いやすい例

  • 電子玩具
    → 機械か玩具か、主たる性質で判断

Step6|用途でも素材でもなく「価値」で決まるか?(第21部)

最後の例外です。これは商品ではなく、文化的・芸術的価値で評価される物か?

典型例

  • 絵画・彫刻(原作品)
  • 収集品
  • こつとう(100年以上+価値)

通常の商取引ではあまり使用しないため、第21部となる場合は明確になりやすくなります。

迷いやすい例

  • インテリアアート → 量産品は第21部にならない
スポンサーリンク

まとめ|HSコードは「覚えるもの」ではなく「辿るもの」

HSコードの分類は、番号を暗記する作業ではありません。素材・機能・用途・危険性・価値という判断軸を順に辿り、「なぜその部に至ったのか」を説明できることが、実務では最も重要です。

本記事で整理した 全21部の実務判断マップ は、2026年1月1日公表のHSコード(2026年度版)を前提に、年度改正があっても変わらない分類思考の土台を示しています。毎年変わり得るのはコード番号や注記であり、分類の考え方そのものは普遍です。

実務ではまず本マップで該当する「部」を特定し、そのうえで最新年度の関税率表・解説書を確認する。この順序を守ることで、誤分類を防ぎ、税関・社内説明にも耐えうる分類判断が可能になります。

HSコードで迷ったときは、番号に飛びつくのではなく、一度この判断マップに立ち戻ること。それが、2026年度版以降も通用する最も安全で再現性の高い実務対応です。

2026年度版HSコードへの対応について(重要)

本記事は、2026年1月1日公表のHSコード(2026年度版) に基づき整理しています。2026年1月1日付で、税関より最新の実行関税率表・品目分類表が公表されました。

参考:https://www.customs.go.jp/tariff/2026_01_01/index.htm

HSコードは「年度更新される」という前提を忘れてはいけない

HSコードは固定された番号体系ではなく、

・国際改正(WCO)
・国内法令改正
・解釈・注解の更新

により、定期的に見直されます。そのため実務では、「考え方は変わらないが、該当コードや注記は毎年確認する」という姿勢が不可欠です。本記事で解説している内容は、素材 → 機能 → 用途 → 危険性 → 価値という HS分類の判断プロセスそのもの を扱っています。

コード番号は暗記するためではなく毎年の改正に対応できるように考える必要があります。

実務での使い方(2026年度版対応)

2026年以降の実務では、次のように使うのが理想です。

  1. 本記事の判断マップで「どの部・どのゾーンか」を確定する
  2. その上で2026年度版の関税率表・注解を確認する
  3. コード確定・申告へ進む
スポンサーリンク
2026年1月10日 | 2026年1月12日