HSコード第13部とは|石製品・陶磁器・ガラス製品の分類体系
HSコード第13部は、石、セメント、陶磁器、ガラスなど、主に無機材料を原料とした成形・加工製品を対象とする部です。本部の分類では、用途や外観よりも、
・原材料が何か
・焼成か、溶融か
・鉱物性か、ガラス質か
といった製法・物性が重視されます。
建築資材、工業部材、家庭用品が混在するため、実務では技術資料の確認が重要になる部でもあります。
第13部に含まれる類一覧(第68類〜第70類)
第13部は、以下の3類で構成されています。
| 類 | 概要 |
|---|---|
| 第68類 | 石、石こう、セメント、雲母等の製品 |
| 第69類 | 陶磁製品 |
| 第70類 | ガラスおよびガラス製品 |
各類の概要と分類の考え方
第68類|石・セメント・鉱物性材料の製品
第68類は、天然石、セメント、コンクリート、鉱物性材料を原料とする製品が対象です。
代表例として、
・石材製タイル、敷石
・セメント製ブロック、レンガ
・砥石、研磨材
・鉱物繊維製品
などが含まれます。焼成や溶融を伴わない鉱物系製品が中心となります。
第69類|陶磁製品
第69類は、粘土などを成形し焼成した製品を対象とします。
・陶器
・磁器
・せっ器
が含まれ、食器、タイル、理化学用器具など用途は多岐にわたります。分類の決め手は「焼成されているかどうか」です。
第70類|ガラスおよびガラス製品
第70類は、ガラス原料を溶融して成形した製品が対象です。板ガラス、容器、ガラス繊維、理化学用ガラスなど、工業用途と家庭用途が混在する類です。
各類の代表的な6桁コード例
第68類|石・セメント製品
| HSコード | 内容 |
|---|---|
| 6801.00 | 敷石、縁石 |
| 6802.23 | 花こう岩製品 |
| 6810.11 | セメント製ブロック |
| 6804.22 | 研磨用砥石 |
第69類|陶磁製品
| HSコード | 内容 |
|---|---|
| 6907.21 | 陶磁製タイル |
| 6911.10 | 磁器製食器 |
| 6912.00 | 陶器製台所用品 |
| 6909.11 | 陶磁製実験用器具 |
第70類|ガラス製品
| HSコード | 内容 |
|---|---|
| 7005.29 | フロートガラス |
| 7013.28 | ガラス製食器 |
| 7019.12 | ガラス繊維 |
| 7020.00 | その他のガラス製品 |
実務で多い誤分類Q&A(第13部)

Q1. 透明な食器はすべて第70類ですか
いいえ。透明であっても、焼成された陶磁器であれば第69類です。透明性ではなく製法で判断します。
Q2. 建築用タイルはすべて第69類ですか
いいえ。陶磁製タイルは第69類ですが、天然石やセメント製タイルは第68類になります。
Q3. ガラスに表面加工があると他部に移りますか
原則として移りません。強化、合わせ、コーティングが施されていても、ガラス製品であれば第70類に分類されます。
Q4. セメント製品とコンクリート製品は同じですか
同一視はできません。配合や用途により細分類が分かれるため、製品仕様書の確認が必要です。
Q5. 工業用部材でも第13部に含まれますか
含まれます。第13部は家庭用品に限定されず、工業用・建築用製品も対象です。
第12部〜第13部 境界判断フロー
以下は、完成品(第12部)と無機材料製品(第13部)の判断フローです。
第13部の実務上の注意点
・原料と製法を必ず確認する
・見た目や用途だけで判断しない
・建材は第68類/第69類/第70類の切り分けに注意
・製造工程説明資料があると税関対応が円滑
まとめ|HSコード第13部 完成整理
HSコード第13部は、石・陶磁器・ガラスという無機材料を軸に分類される部であり、判断の中心は「用途」ではなく「原料と製法」です。第12部までの完成品中心の考え方から切り替え、技術的・素材的な視点が求められる点が最大の特徴といえます。
参考外部リンク(HSコード第13部)
・税関|実行関税率表(第68類〜第70類)
https://www.customs.go.jp/tariff/index.htm
日本の輸入申告実務における一次資料です。石材、陶磁器、ガラス製品の関税率・統計品目番号を確認できます。建築資材や重量物の申告では必須の確認先です。
・税関|品目分類の考え方(鉱物製品・陶磁器・ガラス)
https://www.customs.go.jp/tariff/kaisetsu/index.htm
第68類〜第70類の分類判断における基本的な考え方を確認できます。
焼成と溶融の違い、原材料による線引きの裏付けとして有用です。
・世界税関機構(WCO)|HS解説書(Explanatory Notes)
https://www.wcoomd.org/en/topics/nomenclature/instrument-and-tools/hs-nomenclature-2022-edition.aspx
HSコードの国際的な公式解釈資料です。
第68類〜第70類の「原料」「製法」「除外規定」を確認する際の一次情報として使用されます。
・経済産業省|建材・工業製品分野の貿易管理制度
https://www.meti.go.jp/policy/trade_policy/index.html
石材・ガラス・工業用陶磁製品が該当する場合の、輸入規制や制度全般を確認できます。
建築資材・工業用途製品を扱う場合に参考になります。
・JETRO|建材・工業製品の国別貿易制度情報
https://www.jetro.go.jp/world/
国・地域別に、関税制度や輸入規制を確認できます。
石材・タイル・ガラス製品の輸入可否や注意点の事前確認に有効です。
・日本セラミックス協会|陶磁材料・製法に関する基礎情報
https://www.ceramic.or.jp/
陶磁器の原料・焼成・物性に関する専門的情報が掲載されています。
第69類の分類判断で「陶磁器とは何か」を理解する補助資料として役立ちます。