1. 2024-2025年の年末年始相場の特徴
2024年末から2025年初にかけての株式市場は、例年どおり商いが細る一方で、金融政策とマクロ環境への警戒感が強く残る年末年始相場となりました。特に2024年は、世界的な金融引き締めの影響が完全には解消されておらず、年末にかけては利益確定売りが優勢となりやすい局面が続きました。
日本株(TOPIX・日経平均中心)
日本株では、2024年後半にかけて企業業績の底堅さが意識されていたものの、年末年始は海外投資家の動きが鈍りやすく、指数は方向感を欠く展開となりました。日経平均は大型株の影響を強く受けるため、半導体関連や輸出株の動向に左右されやすく、TOPIXはより幅広い業種の影響を受けて相対的に安定しやすいという違いが見られました。
年末には短期的な調整が入りやすい一方、年明けには新年度を意識した資金が入り、指数はじりじりと回復する傾向が確認されました。
米国株(S&P500・NASDAQ中心)
米国株では、年末年始にかけて金融政策の見通しが最大の材料となりました。S&P500は大型優良株を中心に構成されているため、景気後退懸念があっても下値は比較的堅く、NASDAQは金利動向に敏感なハイテク株の影響で値動きが大きくなりやすい特徴がありました。
2024-2025年の年末年始は、金利低下期待が強まる局面ではNASDAQが先行して上昇し、警戒感が強まるとS&P500に資金が戻るといった循環的な動きが見られました。
2. 2025年12月の株式市場の状況
2025年12月時点の株式市場は、主要イベントをほぼ消化し、翌年の相場を見据えた調整と準備の段階にあります。市場全体としては落ち着いた値動きとなりやすい一方、個別銘柄やセクターごとの差は広がりやすい局面です。
日本株(TOPIX・日経平均中心)
日本株では、2025年通年の業績見通しがほぼ出揃い、業績の良し悪しが株価に明確に反映される段階に入っています。日経平均は指数寄与度の高い銘柄の影響で上下しやすい一方、TOPIXは金融、内需、サービス業などの比重が高く、相対的に安定感のある推移が想定されます。
2025年12月は、年末のポジション整理が入りつつも、下値では押し目を拾う動きが出やすい環境と考えられます。
米国株版(S&P500・NASDAQ中心)
米国株では、2026年の金融政策や景気見通しを巡る議論が中心となり、指数は高値圏でのもみ合いが想定されます。S&P500はディフェンシブな性格が強まり、NASDAQは成長期待と金利動向の綱引きが続く構図です。
この時期は大きなトレンドが生まれにくく、年明け以降の材料を待つ姿勢が強まると考えられます。
3. 前年(2024年末)と今年(2025年末)の比較
前年と比較すると、2025年末は不透明感が後退し、投資家心理が安定している点が大きな違いです。2024年末は「守り」が意識されたのに対し、2025年末は「選別的な攻め」が可能な環境に近づいています。
日本株限定版(TOPIX・日経平均中心)
2024年末の日本株は、海外環境への警戒から慎重なスタンスが目立ちました。一方、2025年末は企業業績の改善や構造改革への評価が進み、前年よりも前向きな姿勢が強まっています。
日経平均は前年よりも高い水準での推移が想定され、TOPIXも安定感を保ったまま年越しを迎えやすい状況です。
米国株版(S&P500・NASDAQ中心)
米国株においては、2024年末は利下げ時期を巡る不透明感が重しとなっていましたが、2025年末は政策の方向性がある程度見えている点が違いです。S&P500は前年よりも底堅さが増し、NASDAQはボラティリティを伴いつつも、成長期待が再評価されやすい局面にあります。
4. 2025年12月27日〜2026年1月5日の市場の動きを予想
この期間は流動性が低下しやすく、小さな材料でも指数が動きやすい点が特徴です。大きなトレンドは生まれにくいものの、年初の方向性を占う重要な期間となります。
日本株限定版(TOPIX・日経平均中心)
日本株では、年末にかけての売りが一巡すると、年明けにかけては海外投資家の動向次第で緩やかな上昇が期待されます。日経平均は主力株主導で動きやすく、TOPIXは内需株を中心に安定したスタートを切りやすいと考えられます。
米国株版(S&P500・NASDAQ中心)
米国株では、年初の数営業日で市場のセンチメントが大きく左右される傾向があります。
S&P500は慎重ながらも底堅く、NASDAQはリスク選好が強まれば相対的に強い動きを見せる可能性があります。
日本株 vs 米国株 年末年始相場
2025年末〜2026年初を想定
| 観点 | 日本株(TOPIX・日経平均) | 米国株(S&P500・NASDAQ) |
|---|---|---|
| 年末の特徴 | 利益確定売りと海外投資家の手控えで方向感が出にくい | 税務・ポジション調整による売買が断続的 |
| 流動性 | 海外勢不在で低下しやすい | 低下するが日本よりは厚みあり |
| 主導指数 | 日経平均は主力株主導、TOPIXは比較的安定 | S&P500は安定、NASDAQは変動大 |
| 年明け初動 | 海外投資家次第で買い戻しが入りやすい | 年初の数日でセンチメントが決まりやすい |
| 上昇しやすい銘柄 | 大型株、指数寄与度の高い銘柄 | 成長株(NASDAQ)または大型優良株 |
| 下落リスク | 円高進行、海外市場急変 | 金利・金融政策関連のサプライズ |
| 全体傾向 | 緩やかな回復バイアス | ボラティリティを伴う方向模索 |
年末→年始の典型的な値動き
以下は、年末から年始にかけてよく見られる株価推移を模式化した図です。特定の指数水準を示すものではなく、あくまで流れを視覚化した参考図です。
年末にかけては、税務やポジション調整を目的とした売りが先行しやすく、株価は緩やかに下押しされる傾向があります。この動きは日本株・米国株の両方に共通しますが、日本株の方が流動性低下の影響を受けやすい点が特徴です。
年明けに入ると、新年度を意識した資金や海外投資家の再参入により、指数は徐々に持ち直すケースが多く見られます。特に米国株ではNASDAQ、日本株では日経平均の主力株が先行して動きやすい傾向があります。
まとめ(日本株・米国株を踏まえて)

2025年末から2026年初にかけての株式市場は、前年と比べて安定した環境が期待されます。ただし、年末年始特有の流動性低下による一時的な変動リスクは引き続き意識する必要があります。
日本株と米国株では値動きの性格が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで相場を眺めることが、年初以降の戦略を立てるうえで重要になるでしょう。
年末年始の株式市場で意識したい注意点チェックリスト
日本株(TOPIX・日経平均)向けチェックリスト
・海外投資家の動向を過信しすぎていないか
年末年始は海外勢の参加が限定的になりやすく、普段よりも需給が歪みやすい時期です。出来高の少なさを意識せずにトレンド判断をすると、誤った見方になりやすい点に注意が必要です。
・日経平均だけを見て判断していないか
日経平均は一部の大型株の影響を強く受けます。指数が堅調でも、TOPIXや中小型株が弱い場合、市場全体の地合いは必ずしも良好とは言えません。
・為替の急変を想定しているか
年末年始は為替市場も流動性が低下します。円高・円安が急に進むと、日本株は指数以上に影響を受けるケースがあります。
米国株(S&P500・NASDAQ)向けチェックリスト
・金利や金融政策関連のニュースに過敏になりすぎていないか
年末年始は材料が少ないため、金利関連の発言や指標に過剰反応しやすい傾向があります。短期の値動きだけで判断しない視点が重要です。
・NASDAQの値動きをそのまま市場全体と捉えていないか
NASDAQはボラティリティが高く、年末年始は特に振れやすくなります。S&P500との温度差を確認することが、冷静な判断につながります。
・年初の数日間だけで強弱を決めつけていないか
米国株は年初の数営業日でセンチメントが固まりやすいですが、その後に流れが変わることも珍しくありません。
年末年始にやりがちな失敗パターン
1. 薄商い相場を通常相場と同じ感覚で見る
年末年始は参加者が少なく、通常よりも小さな売買で価格が動きやすくなります。この動きを「本格的なトレンド」と誤解してしまうと、不要な売買につながりやすくなります。特に、急な上昇や下落を見て慌ててポジションを取る行動は、年明け以降の落ち着いた相場で裏目に出るケースが多く見られます。
2. 年初の値動きだけで年間相場を決めつける
年初に株価が強いと「今年は強気相場だ」、弱いと「今年は厳しい」と判断してしまうのは、年末年始にありがちな失敗です。実際には、年初の値動きは流動性やポジション調整の影響が大きく、年間トレンドを正確に反映しているとは限りません。
3. 利益確定と損切りの判断を先送りにする
「年をまたぐから」「年明けに期待したい」という心理から、本来なら整理すべきポジションを持ち越してしまうケースも多く見られます。特に含み損のあるポジションを放置する判断は、年明けの相場変動で傷を広げる原因になりやすい点に注意が必要です。
4. 日本株と米国株を同じ動きだと考えてしまう
日本株と米国株は、年末年始でも動き方の癖が異なります。米国株が堅調でも日本株が動かない、あるいはその逆といった場面は珍しくありません。市場ごとの参加者、休日スケジュール、指数構成の違いを無視すると、期待と現実のギャップが生じやすくなります。
5. 情報量が少ない時期にニュースを深読みしすぎる
年末年始はニュースが少ない分、ひとつの発言や見出しが過剰に注目されがちです。しかし、その多くは短期的な材料にとどまり、中長期の相場観を左右するものではないケースも多くあります。
最終まとめ
年末年始の株式市場は、「動きが小さいから簡単」「値幅が出やすいからチャンスが多い」と感じやすい一方で、判断を誤りやすい時期でもあります。
この期間は、
・無理に勝ちにいかない
・市場全体の空気感を観察する
・年明け以降の戦略を整理する
こうしたスタンスで向き合うことで、結果的に次のトレンドに乗りやすくなるでしょう。
参考となる外部リンク(一次情報・公式資料)
・日本取引所グループ(JPX)(https://www.jpx.co.jp/)
日本の株式市場全体を統括する公式サイトです。年末年始の取引日程、TOPIXや市場制度の基本情報を確認する際に役立ちます。
・東京証券取引所(TSE)(https://www.jpx.co.jp/markets/indices/topix/)
TOPIXの算出方法や指数の考え方が公式に解説されています。日本株全体の動きを理解する基礎資料として有用です。
・日経平均株価 公式サイト(日本経済新聞社)(https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/)
日経平均株価の構成銘柄や指数特性を確認できます。日経平均とTOPIXの違いを理解する参考になります。
・金融庁(https://www.fsa.go.jp/)
日本の金融制度や市場環境に関する公式情報を確認できます。市場全体の制度的背景を理解する際に有効です。
・ニューヨーク証券取引所(NYSE)(https://www.nyse.com/)
米国最大の証券取引所の公式サイトです。取引時間、休場日、市場構造の確認に適しています。
・NASDAQ 公式サイト(https://www.nasdaq.com/)
NASDAQ指数やハイテク株中心市場の特徴を把握できます。NASDAQ特有の値動きの背景理解に役立ちます。
・S&P Dow Jones Indices(https://www.spglobal.com/spdji/en/)
S&P500の算出ルールや指数構成の考え方を公式に確認できます。米国株指数分析の一次情報源です。
・米国証券取引委員会(SEC)(https://www.sec.gov/)
米国市場の開示制度や規制を管轄する公式機関です。制度面から米国株市場を理解する際に参考になります。
・日本銀行(BOJ)(https://www.boj.or.jp/)
日本の金融政策や景気判断に関する公式情報が公開されています。日本株相場の背景理解に欠かせません。
・米連邦準備制度理事会(FRB)(https://www.federalreserve.gov/)
米国の金融政策を担う中央銀行の公式サイトです。米国株の中長期トレンドを考える際の重要資料です。
・経済協力開発機構(OECD)(https://www.oecd.org/)
世界経済の見通しやマクロデータが整理されています。日本株・米国株を俯瞰的に見る際の補助資料として有効です。
免責事項(投資判断に関する注意書き)
本記事は、年末年始をまたぐ株式市場の一般的な傾向や過去事例をもとに、情報提供を目的として作成しています。特定の銘柄、指数、投資手法の売買を推奨するものではありません。
記事内で述べている相場見通しや市場動向の考察は、執筆時点で入手可能な情報や一般的な市場分析に基づくものであり、将来の価格動向や投資成果を保証するものではありません。実際の市場では、金融政策の変更、経済指標の結果、地政学的要因、突発的なニュースなどにより、予想と異なる値動きが生じる可能性があります。
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