色々な働き方や、雇用形態が多様化してきている昨今ですが、その一つにフランチャイズに加盟して事業を展開していく方法があります。開業を検討している方も一度は目や耳にしたことがあるのではないでしょうか。フランチャイズのもっぱら有名なビジネスモデルにコンビニエンスストアや、不動産賃貸を思い浮かべる方も少なくないかもしれません。
最近では、様々な業種や、サービス販売にもフランチャイズが出現してきています。フランチャイズの加盟を検討してる方は、加盟金やロイヤリティというワードをご存知かもしれません。加盟を検討している方はこの金額や資金の捻出などにおいていろいろな策やキャッシュフローを検討・構築しているかもしません。
加盟金とロイヤリティ

そもそも、加盟金とロイヤリティとはいったい何なのでしょうか?
加盟金とは
加盟金は、そのフランチャイズの技術情報や、業務オペレーション、業務サービスツールに該当します。別途、機材・ソフトウェア使用料などを徴収するフランチャイズもあります。要するに、フランチャイズに新しく加盟し、既存ビジネスに参入し、既存のビジネスモデルを活用して運営していくということから、新規参入を認めてもらうために支払うととらえる事もできます。
ロイヤリティよりも高額に設定されていることが多く、新しい事業の部門を展開したい企業や、開業を検討している企業のうち、資産が少ない場合はここが一つのハードルになります。
ロイヤリティとは
一方ロイヤリティは、フランチャイズなどをする際の名前を借りる権利になります。
加盟金と異なり、一度支払って終わりというような契約よりも毎月など特定期間ごとに、売上高、定額、利益の分割というような形で支払うものが多くなります。もちろん、ロイヤリティフリーなどの形態もあります。
一度ロイヤリティを支払い、その後のロイヤリティの支払いが不要なケースの場合は、提供するサービスの寿命を検討してください。長続きしないようなサービスに加盟金を支払うだけ支払って、トレンドや転換期が過ぎ去れば必要とされないサービスを提供するフランチャイズもあります。
加盟金分の資金回収が完了し、費やした時間に相当する資産を形成していれば問題ないかもしれませんが、それもままならず経営が傾き始めてしまうと、次のビジネスに転換するとき非常に動きにくくなります。失敗しないためにも高い加盟金とロイヤリティのバランスを検討してフランチャイズの加盟を検討してください。
加盟金とロイヤリティの価値

加盟金とロイヤリティの価値はどれほどのものが妥当でしょうか。ビジネスタイプや業界により異なりますので自分の目でしっかりと見極める必要があります。
加盟金の価値
加盟金の価値は、そのフランチャイズのいる業界の情報、日々のオペレーション、サービスを提供するためのツール、本社のマーケティング、技術指導など、新しく加盟する個人や法人が、一店舗としてそのフランチャイズの看板を背負うために本社の規格している最低限のサービス提供基準に満たすためのコストと考えてください。
加盟金の価値は、そのコストに見合うかどうかということになります。
加盟金が高額になりやすいパターン
専門的な技術や、業界情報、業務オペレーションが、加盟しなければ知り得ない場合はこの加盟金の価値は高くなる傾向にあります。また、客単価が高く、成約率・客数がほぼ確実に近いほど加盟金が高くなりがちです。
加盟金が安価になりやすいパターン
一方、集客した後に外注するスキマを埋めるサービスは、加盟金が安価になりやすくなります。ほかにも、本社から商材の仕入れを行い、この仕入れに基づいて営業を行うタイプのフランチャイズの場合は加盟金が安価になりやすくなります。
前者の場合は例えば、外注する先のサービスまでトータルで行う企業の出現、後者の場合は、本社の商材を超える商材の出現などが脅威になります。
情勢に合わせた戦略をおこなう本部があるフランチャイズか検討する
フランチャイズの提供するサービスが非安定的で持続的な営業見込みが短命であるにつれ安価になりやすくなります。ですが、安価になりやすいパターンにもかかわらず、加盟金が高額である場合は要注意です。
昨今、コロナウィルスの影響で私たちのビジネスのスタイルは、以前と比べて様変わりしています。このような時代の情勢においても対策をしっかりと立てる知識と経験、応用力がフランチャイズの本部にあるかしっかりと検討してください。
本部の業務経歴が浅かったり、経営力にもろさを感じる場合はまた要注意です。
ロイヤリティの価値
次に、ロイヤリティの価値をみてみましょう。ロイヤリティの価値は大きく分けて3つあります。
集客力
もっとも大切な要素です。
ロイヤリティの一番の強みはフランチャイズになることで得られる集客力です。確かに技術情報や、業務オペレーション、業務サービスツールにも価値があるかもしれませんが、営業していく上で集客ができない状態であれば、そもそも利益を生み出すことができません。
知名度が高いのであれば、集客コストとなる宣伝費をロイヤリティに充当することができます。
しかし、集客力のない知名度が低いフランチャイズでは、ロイヤリティを支払った上に自社でも営業をかけなければなりません。
知名度と集客力のないフランチャイズに対してロイヤリティを支払う価値があるのでしょうか?
ありません。集客力のない名前を有料で借り、集客力するために広告を自社でコストをかけて行うよりも、他のフランチャイズを検討したほうが良いでしょう。今はたくさんのフランチャイズが存在しています。比較検討をせず、営業担当者の口に丸め込まれてフランチャイズに参入するような方は長く続く事業はできないでしょう。
加盟する前であれば、一度そのフランチャイズはどれほどの集客ができるか確認するべきです。
顧客安心感
集客力の次に、ロイヤリティの与える価値は、顧客安心感です。顧客の安心感は集客のあとになります。
まだ開業していない時や、サービスを探している段階の顧客は、あなたのまだ知らない店舗に安心感を抱くことはありません。顧客の安心感は、加盟店を知った後に得られるものです。
顧客安心感の価値は、提供する、販売するサービスの成約率につながる点です。これは加盟を検討するフランチャイズのこれまでの実績が確認ポイントになります。「このフランチャイズを利用するのは心配だ…」というこれまでの実績が積み重なっている場合、同サービスを提供している事業者との比較時に競り負けやすくなります。
顧客満足度
ロイヤリティの価値のもう一つ、「顧客満足度」は、クチコミやリピート、レビューなどに大きく影響を与えます。また、成立前、検討中の顧客が決断をするときの後押しとなる材料にもなります。
加盟時や営業初期の場合、この顧客満足度は、あなたが積み上げてきた実績ではありません。フランチャイズに参画する事で得られるものです。
顧客満足度も安心感と同様に加盟を検討するフランチャイズのこれまでの実績から確認することができます。
しっかりと検討して参入することが大切
開業や新規事業には大きなエネルギーを消費します。
また、実際に顧客が提供したサービスに支払いを完了するまでは、利益が生まれないので、自己資金でやりくりしなければなりません。開業前から開業半年、1年後、数年後と、キャッシュフローをしっかりと検討することが大切です。
無駄にできない資金であるからこそフランチャイズを検討する場合、その加盟金・ロイヤリティは本当に支払う価値があるのか?コストに見合った対価であるか?といった点を、契約前に見落としがないように確認することはとても大切です。