新型コロナウィルス感染症(COVID-19)が蔓延していく中、これまでの仕事のあり方と、これからでは大きく変わってきています。リモートワーク・テレワークなど、出社をしない形の働き方が進んできており、実際にリモートワークを導入している企業も、2020年でかなり増えてきています。
出社を前提としないこの働き方を指示された時、喜ばれる方も多いのではないでしょうか。ですが実際にリモートワークをしてみて、気づいたことも多かもしれません。
リモートワークで規則的な環境から解放されたとき

今までは朝起きてから、シャワー、洗顔、歯磨きなどをしたのちに、出社する準備をしながら自分なりの習慣を行なってきたかもしれません。ですがリモートワークでは、会社からの指示に従うことで、このような習慣通りに行動しなくても支障がなくなってきました。
就寝・起床・朝食・昼食・間食・休憩など時間が束縛されていることで、体に染み付いた規則性がモチベーションをコントロールしていた人にとっては、時間の管理が自分に委ねられた時に、生産性に大きな影響を与えることがあります。
管理下に置かれた状態や、共に働くメンバーとおこなう業務には、自己を制する効果があるのも確かです。社内の部屋や、プロジェクトのメンバー、同僚、そのほかのスタッフとともに仕事に取り組んでいた時は、自己の裁量で時間管理ができればと思っていた人も、時間の管理が自分に渡された時、なかなか仕事が進んでないなと実感することはないでしょうか。
リモートワークには自己管理が必要になってくる

一見、自己裁量で時間管理などができることは、生産性を高めるように思えます。ですが、自己裁量で生産性が高まるのは、それを効率よく判断し、確実に実行できた場合です。
裁量だけが与えられても、不効率で、実行できなかった場合は生産性は確実に落ちてしまいます。ではなぜ不効率だったり、実行できないというようなことが起きてしまうのでしょうか。
移動がしやすくなる

移動がしやすいと、冷蔵庫に手が伸びたり、テレビのリモコンを手にしたり、YouTubeを鑑賞したり、無駄にコーヒーを淹れたり、カーテンを開け閉めしたり、ベッドに横になりにと、今まで会社の中ではできなかったリラックス方法や小休憩をとりやすくなります。
行動が変わると高まった集中力は一度リセットされます。リセットされた状態から、再度集中力を高めるのは人それぞれですが時間がかかります。
作業環境内に無関係な情報が多い

会社のデスクには作業に必要なもの以外は目に入らないことが多いのではないでしょうか。雑誌やゲーム機などがデスクの上に置いてある、というような事はそうそうないはずです。
作業に無関係な情報が目に入ると、作業内容に向けられた意識が入ってきた情報に向けられてしまうため、どうしても効率が乱れがちです。自宅で作業をしている場合、テレビや、スマホ・タブレット、ゲーム機、同居人の声など、様々な要因が絡んで集中力が乱されてしまいます。
集中力の維持ができないのであれば、作業効率はもちろん低下してしまいます。
リモートワークの作業効率を下げない場所はどこ?
リモートワークをこれまでのパフォーマンスを落とさないようにする方法は人によって様々です。ここでは自宅以外でパフォーマンスを落とさず、快適にリモートワークを進めていくことができる場所について考えてみましょう。
車内でリモートワーク

車は、大都市以外に住んでいる方であれば比較的所持している方が多いかもしれません。家の次によく使うスペースとなっている人も多いはず。しかし、リモートワークを行う作業場所としてはいかがでしょうか。
車内でリモートワークするメリット
1. 集中力を維持しやすい
集中力が維持できないことの一つに、五感からくる情報が多いことが含まれます。つまり、目前にしなければならないことがあっても、視覚や聴覚から情報が入ってくると、高まっていた集中力が情報の方に向いてしまうのです。車内には家ほどの機能はありません。また、限られたスペースになるので、移動することが少なくなります。
2. 気を遣わない
家でリモートワークをしている場合は、同居人が気を使うことがあるかもしれません。大きな音を出さないようにしたり、気が散るような家事は抑えて行う必要があることもあります。しかし、車内にいることで自分一人だけの空間になります。同居人が気を使う必要はなく、自分自身も気を遣う必要がありません。
3. 気分転換が容易
車内から出て少し歩いたり、景色をみることで、複雑になった思考回路をリセットすることができます。家の場合にここで、少しテレビを見たり、ベッドに横になったりと、どっぷり浸かってしまうような気分転換を行なってしまうと、そのまま思いもしない時間が経過してしまうことがあります。家と車内で異なるのは、車内であれば気分転換が、気分転換でしっかりと終わりやすいことです。
4. 規則性を覚えやすい
今まで車内は通勤・退勤時間に過ごしていたスペースです。例えば、どこか大きい公園の駐車場でリモートワークをしていたとすると、その場所までの移動や、帰りの移動は通勤・退勤時間と同様の規則になります。規則があることで仕事とプライベートの切り替えを体が覚え、集中しやすい状態にすることができます。
車内でリモートワークするデメリット
1. トイレがない
トイレがないのは、一番のデメリットになります。生理的な現象を我慢して作業をするのはとても辛いものです。公園などであれば、トイレが近くにあるとこのデメリットは小さいものですが、便座に座るのを躊躇してしまう清潔感がないトイレでは無いも同然です。
幸い、車内で作業をしているだけあって、トイレがある場所への移動が容易であれば車で移動すれば解決することはできるでしょう。
2. 車のサイズ・座り心地
車内スペースが狭い場合や、座り心地が悪い時、作業どころではないかもしれません。スペースは車内を整理し、座り心地についてはシート用のカバーなどで改善できるかもしれません。
3. 電源がない
一部の車両を除いて、ほとんどの車には電気を供給するコンセントがありません。プリウスなどのハイブリッド車や、他電気自動車であれば電源コネクタがあるかもしれませんが、型の古い車両であったり、ガソリン車である場合は電気の供給ができません。改善するには携帯型のバッテリーを持っていくことになります。
4. 電波
家と違って、駐車している場所によっては電波が届かないこともあります。車に乗ってその場所に来たので、電波があるところまで移動することで解決することができます。
ファイルサイズが大きいものをやりとりし合う必要がある場合は、ポーダブルwifiを契約する必要があるかもしれません。そこまで大きくないにしても通信環境が必要な場合は、テザリングを契約するなど通信環境の確保が必要になります。
カフェでリモートワーク

カフェでリモートワークをしている光景をもしかしたらよく見かけるかもしれません。ある程度の居心地の良さを、カフェは備えているので作業をするにおいて優れています。
都市部では公園や人の密ではない場所が無かったり、限られていたりと、なかなか見つけにくいかもしれません。カフェは都市部であれば比較的見つけやすく、基本的には相席ではないのである程度のスペースを占有することができます。
カフェでリモートワークするメリット
1. デスクとチェアがある
カフェにはもちろんテーブルとチェアがあります。テーブルとチェアがあれば作業をすることができます。このテーブルの広さがノートPCを広げることができる大きさであると作業の効率が良くなります。
2. トイレ・手洗いがある
カフェですので、トイレ・お手洗いスペースがあります。生理的な現象を我慢せずに作業に取り組める環境はメリットになります。また公園などとは違い、基本的には清潔に保たれているので女性でも利用しやすいのは大きなメリットです。
3. 移動が少なくなる
カフェ内でうろちょろと歩き回る人はいません。不審人物と間違われてしいます。移動を制限されると、目の前のことに集中しやすくなるので、作業効率が上がりやすくなります。
カフェでリモートワークするデメリット
1. 喫茶にお金がかかる
もちろんですが、カフェを利用するには注文が必要なことが多いわけですので、利用するたびにコストがかかります。2-3時間であれば利用ができても、それを超える長時間である場合はカフェ側から退店を促されることもあります。また、一定の時間ごとに再注文を必要とするカフェもあります。
2. 集中力が維持できないこともある
人それぞれですが、隣のテーブルや、対面のテーブルを利用している人が目に入ってしまい集中できない人もいるかもしれません。
また、カフェには利用者が絶えず訪れるので、カフェのタイプにもよりますがお昼時や14-17時ごろは混み合ってくる可能性もあります。周囲の人に気を取られて集中できない人にとっては、作業のパフォーマンス低下がデメリットになります。
3. 込み合っている時は入店できないことがある
時間帯によっては、席が込み合っていて入店できないこともあります。お昼時やカフェの利用時間帯14:00~17:00には満席になっていて、他のお客さんの退店街になることもあります。
4. 電源を使用できるとは限らない
電源を使用できるカフェでも、座席によっては利用できないこともあります。また、そもそも電源の使用を許可していないこともあります。事前に調べておきましょう。
レンタルスペースでリモートワーク

都市部では、勉強や仕事に使用できるレンタルスペースがあります。レンタルスペース、レンタルオフィス、コワーキングスペースなど色々な呼び方がありますが、電話や登記など特殊な特徴を除いてその利用目的は同じです。
レンタルスペースでリモートワークするメリット
1. 作業環境としての設備が整っている
まずレンタルスペース自体が、勉強やリモートワークなどに向けられて用意されたサービスですので、作業環境に必要なものが基本的には揃っています。例えば電源、wifi、作業スペース、コピー機、トイレなど、ほとんどオフィスと変わらない環境が提供されています。
そもそも、リモートワークが増えてきた2020年より以前からノマドワーカー向けに提供されているので、工夫や意見が取り入れられていて、様々なコンセプトのレンタルスペースがあります。
2. 利用目的が同じ人々が使用している
カフェなどと異なるのはその利用目的が、勉強やリモートワークとなっていることです。提供しているコンセプトによっては疑似的に、少しラフな社内のオフィス環境を連想させるかもしれません。
セミナーや、交流会などが開催されていることもあるので、同様の業種や異業種間の交流が生まれることもあり、社内とは異なった新しい出会いが見つかることもあります。
レンタルスペースでリモートワークするデメリット
1. 利用にお金がかかる
レンタルスペースは、勉強やリモートワークなどに向けられて用意されているので、そもそもデメリットはそこまでありませんが、一つ上げられるとするとそれはやはり有料である事でしょう。
レンタルスペースは、レンタル料が月、日、時間毎とそれぞれの施設によって異なります。個室や、オープンなスペースなどでも料金は変わります。また、レンタルスペースの提供するサービスはその事業者によっても異なります。
タダのものは怖いとありますが、有料であるだけあって作業環境において必要なものは提供されていることも多く、無料のドリンクサービスや、軽食などが提供されることもあります。
公園でリモートワーク

公園や緑地、広場などは開発時に設置する義務があるので、おおよそほとんどの地域で利用する事ができます。外の空気の中で作業することによりいつもと違った環境下で作業に取り組むことができます。リモートワークを行う時にはどのような事が考えられるでしょうか。
公園でリモートワークするメリット
1. 無料で作業する事ができる
入場に料金が必要な場所以外は、基本的に無料で利用する事ができます。利用時間などを制限されているわけでもないので、作業の目処がつくまで利用する事ができます。リモートワークにコストがかからないのはメリットです。
2. 外の空気のなかで作業する事ができる
室内と異なり、公園は基本的には屋外です。扇風機や空調機が作り出す風とはことなる自然な空気を感じながら作業に取り組むことができます。都市部と地方では異なりますが、地方であれば一般的にリラックスできるとされる木々の緑や波の音を感じながら作業する事ができます。
公園でリモートワークするデメリット
1. その日の天候に左右される
屋外であるがゆえに、天候が確実に影響してきます。雨だと屋根があってもベンチとテーブルは濡れるかもしれません。強風であれば、資料やオフィス道具が風に流される可能性もあります。気温が高い、低いのであれば集中できないこともあるでしょう。集中できないのであれば作業効率は低下してしまいます。
2. wifi環境がない
一部の公園はwifiが用意されているかもしれませんが、基本的には無いものと思って考えたほうが無難です。wifiが必要な作業内容であれば自分で用意しておく必要があります。
3. 集中しにくいこともある
公園はみんなが使用できるものとしているので、他にも利用者がいると集中できないことがあるかもしれません。また、外なのでトイレを利用したり、席を立つときにはその席を他の方に使用されたり、盗難にあう可能性もあります。
4. 清潔感が気になることもある
上で言っているように、公園はみんなが使用できるものとしているので、テーブルも席も自分以外の人が利用しています。潔癖な方にとっては衛生状態が気になるかもしれません。それではなくても、他の利用者が不清潔な使用をしている場合は利用するのを躊躇してしまいます。
リモートワーク中に集中力が途切れたときの状況をメモする
いざリモートワークをはじめてみると、作業中に集中力が途切れる事があります。この時、なぜ集中力が途切れたかをメモしておくのは、次回から対策を打ちやすくなります。
リモートワーク中にあると役立つモノ
リモートワークには特に、作業に必要なもの以外の何かが欲しくなることがあります。もちろん娯楽品ではなく、普通のオフィスや自宅にはあるようなモノです。
一度リモートワークをしてみたときに、アレを持ってきたらよかったなと感じたことがあるかもしれません。一度思ってしまうと、気になって集中できなくなるのであれば、メモして次から持ってくるようにするといいかもしれません。
リモートワーク中にあると役立つモノ:タオル

いつも外出時に持っている方は、あまり特筆するようなアイテムではありませんが、タオルは持っているとリモートワークをするとき便利です。
手拭きなどとしての利用はもちろんですが、チェアの高さや柔らかさを調整するとき、一休みするときおでこに添えたときなど干渉としての役割を果たしてくれます。
リモートワーク中にあると役立つモノ:ウェットティッシュ・おしぼり

コーヒーをこぼしたときや、食前食後などウェットティッシュがあると汚れを落としやすくするので持っていると便利です。タオルもそうですが、ウェットタイプなら汚れを落としやすくなります。
カフェなどのおしぼりが用意されている場所でリモートワークをするときは持参する必要は無いかもしれませんが、提供されていないような場所でリモートワークをするときは、ぜひ持っておきたいアイテムです。
リモートワーク中にあると役立つモノ:ポケットwifi

リモートワークでwifiが作業に必要なのであれば、自分で環境を用意する必要があります。レンタルスペースやカフェには環境が用意されていることが多いですが、それ以外の場所では自分で用意する必要があります。
通信量が多いのであればポケットwifi、そこまで多くないのであればスマホのテザリングでも対応できることがあります。
リモートワーク中にあると役立つモノ:作業道具

ペン・メモ帳・PCなど自分の作業内容によって必要な道具は様々ですが、作業に必要なものは自分でそろえておくのが当然良いでしょう。プリンターなどはカフェやコンビニでもできるかもしれませんが、基本的に作業で必要なものは自分でそろえておくようにしましょう。
リモートワーク中にあると役立つモノ:バッテリー

充電環境がないときは、ポーダブルバッテリーを用意しておくといいかもしれません。スマホやPCのバッテリーが切れてしまうと作業を中断せざるを得ないことがあります。
Amazonや楽天でそれぞれのデバイスに応じたバッテリーが販売されているので入手留守ることも容易です。
環境を変える事でリモートワークの作業効率をあげる事ができる

リモートワークはある程度の自由がある分、代わりにある程度の自己管理が必要になります。これから先の働き方に適応していくために、作業のパフォーマンスや、モチベーションを維持するためにも自分なりの最適解を見つけましょう。