ウェブサイトの移転が必要になることがあります。今回は、Google Search Consoleを使用したサイト移転時の処理をまとめたいと思います。
今回は、Google Search Consoleにすでにプロパティが追加済みのウェブサイトから新しいドメインへの移転例をまとめています。
1. 移転前の下準備
移転元サイト
- ウェブサイトのバックアップを取ります。
移転先サイト
- 移転先サイトに、正しく表示されるウェブサイトを設置します。
バックアップや、ウェブサイトの設置などは開発環境や設定によって異なるので、開発環境に合わせて行ってください。
2. Google Search Consoleに移転先のプロパティを追加する
まず、Google Search Consoleに移転先のサイトのドメインプロパティを追加する必要があります。Google Search Consoleにアクセスして、左のナビゲーションからプロパティを追加を選択します。このプロセスは、ドメインプロパティをすでに追加している場合は行う必要はありません。

次に、移転先サイトのドメインを入力します。ここにはサブドメイン(sp.illogs.comなど)を入力することはできないので、トップレベルドメイン(illogs.comなど)を入力します。入力したら、「続行」をクリックします。

「続行」をクリックすることで、確認が始まります。

確認が完了すると、下のような画面が表示されます。TXTレコードの値が発行されるのでこれをコピーします。(「コピー」ボタンをクリックするとクリップボードにコピーされます。)
この画面をキープしたまま、新しいタブか、新しいウィンドウで次のステップへ進むと、スムーズに進める事ができます。

次に、新しいタブ、もしくは新しいウィンドウを開き、移転先のドメインを管理しているホスティングサービスの管理から、TXTレコードを操作します。ここではXserver例にすすめていきます。まず、サーバーパネルへログインし、DNSレコード設定を選択します。

管理しているドメインの一覧が表示されるので、移転先のドメインを選択します。

移転先のドメインを選択したら、上部に表示されている「DNSレコードを追加」のタブを選択します。

設定対象ドメインの、種別欄にあるドロップダウンメニューから、「TXT」を選択します。

TXTを選択したら、内容欄のテキストボックスに、先ほどGoogle Search Consoleでコピーした値を貼り付けます。(入力間違いが内容に、コピー&ペーストで行ってください)貼り付けが終了したら、「確認画面へ進む」をクリックします。

確認画面が表示されますので、しっかりとホスト名(ドメイン)と種別が移転先ドメインのTXTレコードになっているかを確認し、「追加する」をクリックします。入力内容が間違っている場合は「戻る」ボタンから戻り正しい値を入れなおしてください。

追加が完了すると下のような画面が表示されます。タブの、DNSレコード一覧をクリックすと、設定した内容を確認する事ができます。

一覧に、先ほど入力した設定内容が追加されていれば設定は完了です。

設定が完了したら、先ほど開いたままのGoogle Search Consoleの画面に戻り、「確認」ボタンをクリックします。

「確認」ボタンをクリックすると、正しくDNSレコードが設定されているか確認が始まります。確認が終了するまで待機してください。この確認はすぐ終わります。

正しくDNSレコードが設定されていれば、下のようなモーダルが表示され、所有権を持っている確認が完了します。

新しいドメインプロパティの画面が表示できることを確認してください。これでドメインプロパティの追加作業は完了です。

3. 移転元サイトに301リダイレクトを設定する
移転元のサイトへの流入を、新しい移転後のドメインに対してリダイレクト処理を行います。
この手順を行う前に、確実に「1. 移転前の下準備」を終えてください。終えていない場合、サーチエンジンからの流入に対して、またダイレクトリンクへのアクセスにループするリダイレクトや、空白のページの表示などの予期しない処理を行ってしまいます。
301リダイレクトは、様々な方法がありますが、どの方法でも構いません。
.htaccessによる301リダイレクト
.htaccessを作成できるエディタから下の記述を行い、ファイル名を「.htaccess」と名付けて移転元のルートディレクトリに設置します。
ファイル名( .htaccess )
#Redirect / リダイレクト
#ここでは例として "illogs.com"としています。
Redirect permanent / https://illogs.com(←ここに移転先ドメインを記入)
phpによるリダイレクト
.htaccessでのリダイレクトによらない場合は、phpで行う事もできます。エディタを開き、下の記述を行ったのちにファイル名を「index.php」もしくは優先的に読み込まれるファイル名を指定してルートディレクトリに配置します。
ファイル名( index.php )
<?php
// 移転先のURLを入力
// ここでは例として "https://illogs.com"としています。
$site = 'https://illogs.com';
header('Location: ' . $site, true, 301);
// exitを必ず記載
exit;
?>
.htaccess、phpどちらでも、またそれ以外の方法でもリダイレクトが正しく行われることが確認したら次のステップに進みます。
4. Google Search Consoleでの移転リクエスト操作
1-3の手順が完了したら、いよいよサイト移転のリクエストを開始します。
illgos.comは以前はjacore.illogs.comというサブドメイン上で公開されていましたが、これをトップレベルドメインへ移転してみましょう。今回は、当サイトを参考に見ていきます。まず、Google Search Consoleのダッシュボードへ入り、移転前のプロパティを選択します。
ダッシュボードへ入ったら次に、左のナビゲーションの下方にある設定を選択し、アドレス変更を選択します。

アドレス変更ツールが表示されたら、②の、Googleの情報を更新(推奨)にある、「新しいサイトを選択」と表示されたドロップダウンメニューをクリックします。

次に、移転先のドメインを選択します。この時、移転先のドメインがドメインレベルのプロパティでなければ一覧には表示されません。もしこの段階でつまずいてしまった場合は、プロパティを設定しなおすか、新しく追加してください。

移転先のドメインを選択したら、「検証して更新」をクリックします。

「更新して検証」をクリックすると検証が開始されます。設定が正しければ下のように表示されます。この時、インデックスされたページのパスが変更されているページが含まれている場合、黄色い推奨の表示が行われます。修正が可能であれば修正し、そのままでも差し支えない場合はそのまま「検証を確認」をクリックします。

「検証を確認」をクリックすると、下のように「このサイトは現在移行中です」という表示が現れます。下部に、移転前のサイトと、移転後のサイトが表示されるので確認してください。

移転後のサイトを確認すると、下のように上部に青い帯で「他の 1 サイトがこのサイトに移行中です。」という通知が表示されます。

これで、Google Search Consoleでの処理は完了です。この処理を取り消す必要がある場合は、リクエストから180日間はこの移転をキャンセルすることが可能です。